difference(1/8) 誰もいない学校の廊下。 静まりかえっている放課後の校舎。 「真奈美、本当に僕のことが好きか?」 「え……?」 自分の恋人にこんなことを訊くのは、我ながらおかしいとは思う。 しかし、不安というものが僕をつきまとう。 「何言ってるの?慧君。好きにきまってるじゃない!」 そう言って僕に笑顔を向ける真奈美――…。 おかしいんだ。 今は真奈美の言葉を信じられない。 成宮、不破、多智花、嶺という男しかいないアホサイユへ補習をしに行ったり あのB6とかいう怪しい教師集団と、ヤケに仲が良かったり 那智と笑顔で会話したり――…。 嫌なんだ 不愉快なんだ 真奈美が僕以外の男と一緒にいるのが……。 特に、僕と那智の女性の好みは似ている。 そんな那智と真奈美が一緒にいて、正気でいられるわけがないだろう……? →次へ 戻る ×
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