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誰もいない学校の廊下。

静まりかえっている放課後の校舎。


「真奈美、本当に僕のことが好きか?」

「え……?」










自分の恋人にこんなことを訊くのは、我ながらおかしいとは思う。

しかし、不安というものが僕をつきまとう。


「何言ってるの?慧君。好きにきまってるじゃない!」


そう言って僕に笑顔を向ける真奈美――…。

おかしいんだ。

今は真奈美の言葉を信じられない。


成宮、不破、多智花、嶺という男しかいないアホサイユへ補習をしに行ったり

あのB6とかいう怪しい教師集団と、ヤケに仲が良かったり

那智と笑顔で会話したり――…。


嫌なんだ

不愉快なんだ

真奈美が僕以外の男と一緒にいるのが……。


特に、僕と那智の女性の好みは似ている。

そんな那智と真奈美が一緒にいて、正気でいられるわけがないだろう……?




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