difference(2/8) 「兄さん〜。そろそろ会議の時間だよ〜!」 少し遠くの方から、那智が僕を呼んでいて。 無理やり笑顔を作って、真奈美とわかれた。 会議中も気になっているのは真奈美のこと。 今どこにいるのか、とか 男と喋っているんじゃないか、とか――… 第一、来年度の予算なんて3年生の僕達には関係無いのに、どうして会議に出なければいけないんだ……! 始終そんなことを考えており、全く会議に集中出来なかった――…。 「兄さん〜、何か今日兄さんらしくなかったよ?」 そんな風に那智から言われても、その通りだから反論することが出来ない。 しっかりしなければいけないのに…… 僕は生徒会長であるのに…… 「あれ〜?真奈美せんせい発見〜!!」 ――真奈美……? 前方から、沢山の資料を持っている真奈美が歩いてくる。 その細い腕に、そんなにも沢山の資料は相当重いだろう。 しょうがないから持ってやろう、僕がそう思った瞬間――… 「真奈美せんせい、その資料重そうだね〜。貸して!おれ持ってあげるよ〜。」 「えっ…でも悪いよ…!」 「いいの、いいの〜。だって真奈美せんせいの腕が折れたら大変じゃん〜。」 「あはは!私、そんなにか弱くないよ!」 真奈美はそう言ったが、那智は資料を軽々と持ち上げて。 「真奈美せんせい、運ぶ場所は教務室〜?」 「あっ、うん!」 「じゃあ、兄さん。おれ行ってくる。先帰ってていいよ〜。」 「あっ…ああ……。」 真奈美の隣は僕のポジションなのに…… 何でだ……? どうして、お前の隣には那智がいるんだ――…? →次へ ←前へ 戻る ×
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