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「兄さん〜。そろそろ会議の時間だよ〜!」


少し遠くの方から、那智が僕を呼んでいて。

無理やり笑顔を作って、真奈美とわかれた。


会議中も気になっているのは真奈美のこと。

今どこにいるのか、とか

男と喋っているんじゃないか、とか――…


第一、来年度の予算なんて3年生の僕達には関係無いのに、どうして会議に出なければいけないんだ……!

始終そんなことを考えており、全く会議に集中出来なかった――…。











「兄さん〜、何か今日兄さんらしくなかったよ?」


そんな風に那智から言われても、その通りだから反論することが出来ない。

しっかりしなければいけないのに……

僕は生徒会長であるのに……


「あれ〜?真奈美せんせい発見〜!!」


――真奈美……?


前方から、沢山の資料を持っている真奈美が歩いてくる。

その細い腕に、そんなにも沢山の資料は相当重いだろう。

しょうがないから持ってやろう、僕がそう思った瞬間――…


「真奈美せんせい、その資料重そうだね〜。貸して!おれ持ってあげるよ〜。」

「えっ…でも悪いよ…!」

「いいの、いいの〜。だって真奈美せんせいの腕が折れたら大変じゃん〜。」

「あはは!私、そんなにか弱くないよ!」


真奈美はそう言ったが、那智は資料を軽々と持ち上げて。


「真奈美せんせい、運ぶ場所は教務室〜?」

「あっ、うん!」

「じゃあ、兄さん。おれ行ってくる。先帰ってていいよ〜。」

「あっ…ああ……。」


真奈美の隣は僕のポジションなのに……

何でだ……?

どうして、お前の隣には那智がいるんだ――…?




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