予感(1/4)



「接吻がしたい。」

「え……?」

「だから、接ぷ………」

「あぁ!もう千聖君!今は補習中です!」


千聖君と一緒に勉強していくことになって早数ヶ月。

大きな声じゃ言えないけど……

私達は恋人同士――…。









「接吻をしなければ勉強する気がおきん。」

「なっ……!!」

「だから、真奈美……。」


――流されちゃダメ……。

そんなこと解ってる……。


だけど、千聖君のあの目

あの目に見つめられたら最後。

私は、流されてしまう――…。


そっと手を握られ、私の唇に彼のそれが触れる。

幸せな瞬間。

幸せな瞬間なんだけど……


「もう終わりッ!千聖君!」


そう言って、軽く彼を突き飛ばす。

すると千聖君は、不満そうに私を見ていて。


「どうしたの?千聖君……。」

「足りん。」

「えっ……?」

「あと1回だけでいい。接吻がしたい。」


――そんなこと言われても……。


「千聖君……ここ教室だよ?」

「そんなの分かっている。」

「ClassZの誰かが教室に戻ってくるかも……。」

「アイツ等がこんな時間まで学校に残っていれば、うちのクラスは落ちこぼれだなんてレッテル張られないだろう?」

「でも……。」


躊躇う私をよそに、千聖君から私にキスをする。


どうしても

流されちゃう……。




次へ

戻る

×
- ナノ -