difference(3/8) 今頃、真奈美と那智はどうしているのだろうか……? 気になるなら教務室へ行けばいい。 でも、足は動かなくて。 生徒会室のイスに座り、溜め息をつく。 会いたい 会いたい 真奈美に、会いたい――…。 コンコン――… 2回、生徒会室のドアをノックする音がする。 ――那智か……? それとも、生徒会の誰かか……? 「入れ。」 そう言うと、ドアがゆっくり開いて――…。 「真奈美……!?」 「あっ、慧君!良かった。まだ残ってたんだ!」 「どっ…どうしたんだ!?」 「生徒会室の電気がついてたから、もしかしたら慧君まだ残ってるかなって思って!」 真奈美の隣に那智がいないのを見て、そっと胸を撫で下ろす。 しかし、那智と教務室までの距離、何を話していたのか…… そんなことを考えて、眉間に自然とシワがよる。 真奈美はそれを見て、僕が不機嫌になっていると勘違いしたらしく――… 「慧君?あっ、ごめん…。来ちゃダメだった?」 「そんな…ことはない!来たければ、来ればいいだろ。」 「ホントに?良かった!」 「べっ…お前に別に会いたいとか言う意味じゃないからな!!」 ―――何言っているんだ、僕……!! これじゃ、まるで僕が真奈美に会いたかったみたいじゃないか……! いや、会いたかったのだが――…。 →次へ ←前へ 戻る ×
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