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今頃、真奈美と那智はどうしているのだろうか……?

気になるなら教務室へ行けばいい。


でも、足は動かなくて。

生徒会室のイスに座り、溜め息をつく。



会いたい

会いたい

真奈美に、会いたい――…。



コンコン――…

2回、生徒会室のドアをノックする音がする。


――那智か……?

それとも、生徒会の誰かか……?


「入れ。」


そう言うと、ドアがゆっくり開いて――…。


「真奈美……!?」

「あっ、慧君!良かった。まだ残ってたんだ!」

「どっ…どうしたんだ!?」

「生徒会室の電気がついてたから、もしかしたら慧君まだ残ってるかなって思って!」


真奈美の隣に那智がいないのを見て、そっと胸を撫で下ろす。


しかし、那智と教務室までの距離、何を話していたのか……

そんなことを考えて、眉間に自然とシワがよる。

真奈美はそれを見て、僕が不機嫌になっていると勘違いしたらしく――…


「慧君?あっ、ごめん…。来ちゃダメだった?」

「そんな…ことはない!来たければ、来ればいいだろ。」

「ホントに?良かった!」

「べっ…お前に別に会いたいとか言う意味じゃないからな!!」


―――何言っているんだ、僕……!!

これじゃ、まるで僕が真奈美に会いたかったみたいじゃないか……!

いや、会いたかったのだが――…。




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