誰にも渡す気は無い。





ここまで俺を本気にさせた奴を逃がす事は出来ない。






何より、ルカには俺の傍に居て欲しい。





それは、俺の我が儘かもしれないが…。























―数日後―



「…ルカ、ちょっと良いか?」


「あっ、はい。どうしたの?」








椅子に座り、本を読んでいたルカに声をかけたら直ぐに俺の前までやって来た。



自然と見上げる形となり、じっと見つめられたら理性がヤバイ。






「ちょっと行きたい所がある。」


「えっ、ひゃ…。」



ルカを抱き上げ、ベランダに歩く。




抱き上げられた為にルカは顔を赤くし、焦っている様子がまた可愛い。





「しっかり捕まっててくれ。両手は首に。」



「はっ…はい。」




渋々首に手を廻したのを確認して、背中に羽根を出した。









羽根を羽ばたかせ、空へと高く飛ぶ。




ルカは怖いのか目をつぶった侭で何も言わない。


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