ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ
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「ギディオン、本当のことを言って!
私のことが嫌いになったの?
それとも、他に好きな人が出来たの?」

「……そうじゃないんだ、キャロル。
実はね、この所、ある準備に終われていた。」

「準備って…何の?」

「……ここを抜け出す準備だ。」

「えっ!!」

キャロラインは驚き、ギディオンの顔をじっとみつめる。



「……私は決めた。
君とここを出て行く。
ここを出て、君と人間の世界で暮らすんだ。」

「ギディオン…!
本気なの!?
本気でそんなことを…!?」

「あぁ、本気だとも。
酷く急だが、明日、決行だ。」

「で、でも、ここを離れたら、あなたは人間の姿を保てないんじゃ…」

キャロラインは、以前、ディランに聞いた話を思い出していた。
この森には目には見えない不思議な力があり、ここにいることで魔物達は常にその力を供給されている。
しかし、ここを離れてしまえばその力の供給が停まり、だんだんと力を失い、最後にはごく普通の魔物と変わらなくなってしまうのだと…



「キャロル、私を誰だと思ってるんだ。
森の守護者だぞ。
そうならないための魔法や薬を作るために今まで奔走していたんだ。」

「そうだったの!
ギディオン!ありがとう!
私、嬉しくてたまらないわ!」

キャロラインは、ギディオンに抱きつき、ギディオンはその身体をさらに強く抱き締めた。



(おまえのこんな嬉しそうな顔は初めてだ…
やはり、帰りたかったのだな…)



一生出られないと思っていたこの場所から明日出られるという信じられない程の喜びに、キャロラインは眠れない夜を過ごした。


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