ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ







「ベルガー!あの丘で一休みしましょう!」

森の中を馬に乗って颯爽と駆け抜ける若い姫のすぐ傍を、オウム程度の大きさのドラゴンが同じ速度で追いかける。



「あぁ〜、気持ち良い!
ここに来ると、生き返るような気がするわ。」

馬を降りたキャロラインは、煌びやかなドレスが汚れる事も気にせずに、草の上をまるで無邪気な子犬のように転げ回った。
汚れる云々ということ以前に、彼女のドレスは膝のあたりまで無残に引き千切られていたのだが…



「ベルガー、おいで!」

キャロラインの傍にいたベルガーは、彼女の言葉を理解したように小さな翼を羽ばたかせ、キャロラインの胸の上にそっと舞い降りた。



「今日は夕方までゆっくり遊んで帰りましょう!
おまえがいてくれたら、たくさんの衛兵が着いて来てくれるよりずっと安心ですもの。」

そう言ってベルガーを抱き締め、柔らかな頬を摺り寄せるキャロラインを、ベルガーはどこか寂しげな瞳でみつめる。



(その通りだ。
私がいる限り、誰もおまえに危害を与えることは出来ない…
私が命をかけておまえを守るから…)



「ベルガー、見て!
あの雲、なんだかドラゴンみたいじゃない?」

空に浮かんだ白い雲を指差して、キャロラインは嬉しそうに微笑んだ。







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