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俺は、これといってすることがなくて、部屋に置かれたなんだかよくわからないものを見たりしてたけど、どうにも落ち着かない。



「なぁ、美戎…」
「ここからはあとちょっとじゃないのかなぁ?」


俺が美戎に声をかけた時、美戎が何かを呟き立ち上った。



「美戎…?」

美戎はすたすたと歩き、魔方陣の真ん中に座って、何かを呟き、手でなにかのまじないみたいな動きをする。



「やっぱり無理か…じゃあ……」



俺には、美戎がなにをやってるのかわからなかった。
その後も美戎は、何度も何度も手の動きを加えながら呪文のようなものを唱えてた。



「なぁ、美戎…何やってるんだ?
そろそろ戻らないとまずいんじゃないか?」

「うん、もう少しだけ……」

美戎はなおも同じことを続ける。
俺はゆかりさんのことも気になってたし、美戎のなんだかよくわからないものを見るのも飽きてたから立ち上った。
まさに、その時だった…



「あっ!」

魔方陣がぼんやりと光り出したと思ったらみるみるうちに、その光が強く、眩しいものに変わった。
なんだかわからないけど、俺は本能的に危険を感じた。



「美戎、そこから出るんだ!」

「でも…」

「馬鹿!早く出ろって!」

俺は、美戎の傍に駆け寄り、その腕に手をかけた。
その時、光がさらに眩しさを増して…



「あっ!」



ゆかりさんが部屋に入って来るのがちらっと見えたのを最後に、俺はあまりの眩しさに目を閉じた。


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