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「……どうかしたのか?」
混乱してフリーズしてしまった私の顔をのぞきこむようにして、シュウが心配そうな声を出した。
落ち着け、美幸!
今の状況を整理して考えるんだ!
えっと…
「……大丈夫なのか!?」
「大丈夫だってば!
今、頭の中を整理してるの!」
思わず声を荒げた私を、シュウはちょっと驚いたようにみつめた。
……かっこいい……
驚いた顔までこんなにかっこいいなんて…
「さっきから顔が真っ赤だけど、熱でもあるんじゃないのか?」
「そ、そうじゃなくて…
え…えっと……わかってることから言うから、シュウも一緒に考えて!」
私は、赤い顔から話題をそらすため、咄嗟にそんなことを口走った。
「まず…シュウは私のオリキャラだけど、現実にここに存在する。」
シュウは、私の顔を見て深く頷いた。
部屋の中に気まずい沈黙が流れる……
「……それから?」
しびれを切らしたシュウが私に質問した。
「それから……って言われても……」
「え?それだけ?
それだけしかないのかよ!?」
「だ…だって……」
「……ま、確かに混乱するよな。
自分のオリキャラが、突然、何の前触れもなく現れるなんてな…
魔法使いがいるような世界でもないっていうのに、一体、なんでこんなことに…」
シュウの言った「魔法」という言葉が、妙に私の心に残った。
……本当にシュウの言う通りだ。
なんで、こんな魔法みたいなこと……ん?
「……そういえば…」
「なんだ?」
私の頭の中には、ぼんやりとあの赤い隕石のことが思い出されていた。
「どうしたんだよ!?」
シュウにせっつかれ、私はぽつりぽつりと昨夜のことを話し始めた。
流星群を見ようと思ったこと…うたた寝して、目が覚めたらちょうど流星群の見られる時間になってたこと…そして、流れ星が流れて…
「あぁっ…!」
「なんだ!?」
私の口から思わず飛び出た大きな声に、シュウは驚いた顔を向けた。
「そうだ…私…あの時……」
「なにがあったんだ?」
「ね…願いをかけた…」
「願い?どんな?」
「シュ…シュウに会うって……」
「……俺に会う?」
私は恥ずかしくて俯いたまま、小さく頷いた。
「そ、それで…その後、その流れ星がぐんぐん私の方に向かって落ちてきて…
私は、隕石に潰されてこのまま死んでしまうんだって思った瞬間……多分、意識を失って……
だから、夢だと思ってた。
あれは全部夢だったんだって…」
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