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「どうした?
えらく元気がないじゃないか。」

「そんなことないですよ。」

一応、そうは答えたが多少沈んでいることは確かだった。



あれからしばらくしてようやく落ちついた妹さんは、俺達にすべてを打ち明けたことで気持ちが少し軽くなったと、安堵した顔を見せてくれた。
和彦さんは、あらためて「聞いたことは決して他言しない」ということを宣言した。
すると、妹さんは男性達が旅行していた場所を、旅館の名前まで正確に教えてくれた。
きっと、和彦さんのことを信頼出来る人だと判断したんだと思う。
それと、思い出したように、男性から聞いたあのカリスタリュギュウス流星群の時の話をしてくれた。



「兄さんは、あの流星群が流れ始めるとただひたすらに義姉さんを生き返らせてくれと祈ったそうです。
ある時、不意に目の前に赤い光を感じ、目を開けると真っ赤な流れ星が兄さんに向かってぐんぐん落ちてきていたと言ってました。
まるで、家に星が落ちて来るようだったと。
そして……」

ひかりの言ってたことと同じだ!
その話に、俺の鼓動は一気に速さを増した。



「お兄さんはそのまま眠ってしまって、目が覚めたら朝になってて、お義姉さんが戻って来てたんじゃないのか!?」

「そ…そうです。
その通りです。」

「やっぱり……」

「では、あなたの妹さんや生き返ったわんちゃんも同じように…?」

「犬?……あ…あぁ、そうなんです……」



咄嗟のことで、俺は一瞬、和彦さんの作り話のことを忘れていた。
和彦さんは、心配そうに俺をみつめ、俺はそれに対して小さく頭を下げた。
俺は、その時、あのチャネラーの言葉を思い出していた。
あのチャネラーは、日本に三つの大きな奇蹟がもたらされたと言っていた。
そして「燃えあがる炎のようなパワーをその全身で受け取った」とも。
つまり、ひかりや行方不明になっているここの男性のように、赤い星が自分に向かって落ちて来るような体験をした者に奇蹟が起こってるようだ。
やっぱり、ひかりは「選ばれし三人」のうちの一人だったんだ……

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