そのことをはっきりと突き付けられるのは確かに哀しく惨めなことではあったけど、そんなことだって受け入れてしまえば、そうたいしたことはない。
いや…僕が受け入れようと拒もうと…僕が不幸だったってことはきっと変わらない現実なのだから。



不幸に慣れた僕は最初から期待をしない。
甘い夢なんて見やしない。
いやなことがあったって、どうせ僕の人生なんてそんなものだと簡単に割りきり、作り笑いを浮かべることだって出来る。
自分でも気付かないうちに、僕はいつの間にかそんな風になっていた。



(そう…人生なんてこんなもんだ。
何も期待しなければそれを裏切られることもない。
最初から何も持たなければ、失うことも、失うことを不安に感じることも何もない。)



毎日ただ起きて働いて食べて寝る。
そんな味気ない毎日を嘆く事はもちろんのこと、疑問を感じることすら僕にはなかった。
いつか、命が尽きて天に召されるその日まで、僕はきっとずっと一人でこんな毎日を送るのだと思っていた。



そんな時だ……僕がオルガと知り合ったのは。


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