「アルディさん…人間と獣人が仲良く暮らせるようにはなれないのかな?
僕、獣人と仲良くなりたいよ!」

エリオットは真っ直ぐな瞳でアルディをみつめた。
アルディはそんなエリオットに優しい微笑を返す。



「ありがとう、エリオット。
今すぐには無理かもしれないが、君みたいな人間がいてくれたらきっといつかそうなれると思うよ。」

「ありがとう、エリオット!」

カークがエリオットに抱きついた。



「うわぁ、カークってもふもふして暖かくてすごく気持ち良いね!」

「そう?僕、そんなこと言われたの初めてだよ。」

「本当に気持ち良いよ!
ほら、セリナもぎゅっとしてもらいなよ。」

カークは言われるままに、今度はセリナに抱きついた。



「まぁ、本当!
カークってもふもふなのね!」

「カーク、俺も!
俺にもぎゅっとして!」

カークと和やかに戯れる人間達の姿に、ケイティの顔にも笑みが浮かんだ。



「皆さん、お待たせしました。
お食事の用意が出来ましたよ。
お口にあえば良いんですけど…」

食堂にはテーブルいっぱいの料理が並んでいた。



「たいしたものはないが、量だけはあるからたくさん食べてくれよ!」

「ありがとう!
おぉっ!これはうまそうだな!」

三人の獣人と四人の人間と一人の猫人間の食事は、笑いと話題の絶えない楽しいものとなった。
出された料理はも皆おいしく、口に運ぶ手も止まらない。
食事もようやく終わりに近付いた頃、一行は、願い石を探している理由を正直に話した。



「なるほど…
皆それぞれにわけありってことなんだな。
特にセリナの事情はよくわかる。
俺も、協力したいのは山々なんだが…」

「やっぱり無理だよね…急にこんなこと言っても…」

「そうじゃないんだ。
セリナの推測通り、願い石はこの村の近くの祠にある。
だが…残念ながらその石は双子石の方なんだ…」

アルディのその言葉に、一行は肩を落とした。


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