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「なぁ、ダルシャ、これから先どうするんだ?」
「そうだな…この町にいても仕方がなさそうだが……
問題は、どこに行くか…だな。」
そう言いながら、ダルシャは頬杖を着いた。
ラスターとフレイザーの船酔いも次の日にはすっかり良くなり、一行は早速願い石についての情報集めに取りかかったが、何ひとつ有力な手掛かりが掴めなかった。
ここ数日、フレイザーとダルシャは剣の稽古に明け暮れ、その他の面々は暇を持て余していた。
「そういえば、ダルシャはこの大陸に親戚がいるって言ってたよね?」
「あぁ、もう何年も会っていない叔母がいるんだ。」
「じゃあ、そこに行ってみようよ!
僕、貴族のお屋敷なんて行ったことないし…」
「それは良いわね!
でも、こんな大勢で押しかけたらお邪魔かしら?」
「いや、構わない。
叔母は天真爛漫な性格だから、きっと歓迎してくれると思う。」
「わぁ!じゃあ、決定だね!」
セリナとエリオットは子供のようにはしゃぎ、皆の顔に笑みが浮かんだ。
「俺は行かない…」
「えっ!?」
明るい空気が、ラスターの発した一言で緊迫したものに変わった。
「行きたけりゃあんたらだけで行きな。
俺はそんな所、絶対に行かないからな。」
ラスターの言葉は、さらにその場を嫌な雰囲気に駆り立てる。
「じゃ…じゃあ、その親戚の住む町まで行く事にしたらどうかな?
どうせ、これから先の行き先は決まってないんだから。
で、宿屋に泊まって、親戚の家にはちょこっと遊びに行くだけ。
あ、もちろん、ラスターはいやなら行かなくても良いんだよ。
……それなら良いでしょ?」
エリオットの提案に、ラスターはなにも言わずその場を離れた。
「……どうやら、彼は行きたくなさそうだな。」
「でも、何も言わなかったってことは、さっきの僕の案に反対はしないってことだと思うよ。」
「内心では、私達がお屋敷にお邪魔するだけでもいやなんでしょうけど…」
「……ダルシャ、どうする?」
「そうだな…どうしたものか…」
ダルシャは、遠くをみつめ深い溜息を吐き出した。
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