今日半日いかにして仁王に逃げられただのその時の寂しさったらないよだのと幸村くんの愚痴を聞き始めてラーメンが五つはできそうな時間が経った頃、部室の外から聞き慣れた足音がした。軽いけどあの変な走り方。きっと仁王だ。幸村くんはまだ気付いていない。そっと立ち上がってドアを開けた。当たるか当たらないかの距離に仁王がいた。

「あっ…ぶね」
「悪いな」
「ちっとも思っとらんじゃろ」
「入れよ」

仁王の文句はスルー。どうだこのスルー力。まいってるとはいえあの幸村くんに聞いてないのを気付かれない程度の能力を誇るんだぜ。呆れ目の仁王を部室に引き込んだ。ぶつぶつ言ったままの幸村くんの隣に座らせる。幸村くんはまだ俯いたまま。

「……」
「じゃ、後はシクヨロ!恋人同士仲良くやれよぃ!」

パンくずをかき集めてスーパーの袋に入れてから、仁王の頭をはたいた。激励の意を込めて。睨む三白眼を無視して部室から去る俺マジキューピッド。幸村くんの愚痴に疲れたからジャッカルに会いに行こう。あれだろ、仁王が逃げてたのはただ照れてたからだろ。まだこっちを見てた幸村くんに言ったそれはたぶん正しいと思う。気まずそうな仁王を見たら一発でわかる。俺マジ天才的!
まあ、夫婦喧嘩は犬も食わねえって言うし。残りの休憩時間を有意義に過ごしてくれりゃそれでいい。






ジャブン書きてえ

2011/6/17
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -