思ったより傷は深い。なんて、自分で思って笑う。
 友達のヒロには、「割り切れよ」と言われた。同じく友達のミーちゃんには、「すぐ友達になれるでしょ」と言われた。
 励ましてくれる友人たちの存在にジーンとしながら、だけどその実、どちらの言葉にも未だ応えられないでいる俺だ。どうしようもなくて、笑えない。



夕景センチメンタル



 高二の冬休みに、片思いしていた女の子にフラれた。はじめての失恋は、思っていたよりずっと痛くて。

「聞いたよー。日向の好きな子、カレシいたんだってね? それでさあ、だからっていうのもあれだけど……ねえ、あたしじゃダメかな?」

 その痛みを引きずったまま、それでも季節は何事もなく変わっていく。
 いつのまにか桜が咲いていて、俺は今年18だ。


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