「白金さ〜ん!待ちましたか?」
「いいや、ちょうど今来たところだ。ほら乗れ、早く行くぞ」
「はい!」
白金は跡部みたく高級車で学校には来なかったので、ひと安心した
「圭一郎、車出してくれ」
「はい、分かりました陵」
どうやらこの車の運転手は赤坂のようだった
「こんにちわ、赤坂さん!」
「こんにちわ、楓さん。今日も可愛らしいですね」
赤坂は鏡越しに楓に微笑む
(赤坂さんの笑顔、かっこいあなぁ…)
楓は赤坂の笑顔を見たあと、白金の顔を見た
「俺の顔に何かついてるか?」
「いや、そういうわけじゃないんだけど…白金さんが笑った顔見たことないなぁって思って」
「?」
「白金さんが笑った顔って、なんか…いちごをからかってる時の含み笑的なのしか見たことないから普通に笑ったらどういう顔するのかなぁって…!だから笑ってみてください!」
楓が真剣にそう言えば、白金は少しの間ポカーンとしていたが
「くくっ…変なやつだな楓は…」
と笑いをこらえながらも、堪えきれず笑っていた
(あっ、なんか楽しそうに笑ってる…)
「いきなり、人に笑ってくださいなんて言う奴が居るかよ」
「ここに居ますよ、ここに!でも、笑ってくださいって言ったかいがありました。ちゃんと、笑ってくれたから!」
「…そうかよ」
赤坂は楓と白金の様子を楽しそうに見た
ほのぼのとした、とある日の午後の3人だった