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「レッドデータアニマル…レッドデータアニマル…あっ、この本かな?」


楓は昼休み、図書館でレッドデータアニマルについて調べていた


(確か、白金さんはあたしの中にはエゾオコジョのDNAが流れてるって言ってたよね!)


楓は絶滅危惧種の動物の図鑑を手に取ると空いている椅子に座った


「エゾオコジョ載ってるかな」


図鑑の後ろのページにある索引でえの欄を見れば"エゾオコジョ"があったので、そのページを開いた


*エゾオコジョ
・ネコ目イタチ科
・オコジョの亜種

気性が荒く、自分より大きいノウサギなどを捕食する。オコジョの後ろ足は比較的に長く、それにより強力な跳躍力を持っている。


「だから、あんなにジャンプできるんだ…」


"強力な跳躍力"という文字を呼んで、楓は改めて自分のあのジャンプ力はエゾオコジョのDNAの影響なんだと思った


「そうだ、ついでだから…イリオモテヤマネコとノドジロルインコと…スナメリ…ゴールデンタマリンライオン…を調べよう!」


楓はみんなのも調べようと思い、また索引のページを開いた時だった


「ゴールデンタマリンライオンではなく、ゴールデンライオンタマリンだ」


突如頭の上からした声に楓は顔をあげた



「…え?」


「桜崎はレッドデータアニマルに興味があるのか?」


顔をあげれば目の前にはテニス部の柳蓮二がいた


「えーと…やー…やー…やなぎ君…だよね?」


「ずいぶん思い出すのに時間がかかったな…俺はそんなに印象が残らない顔か?」


「いや、そういうわけでは無いんだけど…」


楓が苦笑いを浮かべると、柳はまぁいいと呟くと楓が見ていた本に目を移した


「まさか、桜崎がこんな本を読んでいるなんて驚きだな…もっと、違う本を読んでいるのかと思った」


「えっと…まぁ、これはちょっとした好奇心かな」


楓は自分の中にエゾオコジョのDNAが流れてるから、どんな動物なのか調べてたなんて口が割けても言えるわけなく適当にはぐらかした


「柳君はレッドデータアニマルに興味あるの?ゴールデンタマリン…じゃなくてゴールデンライオンタマリンのこと知ってるみたいだったし」


ちなみにゴールデンライオンタマリンは歩鈴と合体したDNAだ


「まぁな、家にレッドデータアニマルの大図鑑があってな、それを以前読んだことがあるんだ。」


「内容とかはちゃんと覚えてるの?」


「少しはな」


「なら、問題出してもいい?」


楓は何か思いついたのか楽しそうに笑った

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