52

---

一瞬にして消えたホログラムにはぁ、とため息を吐いて、思いっきり眉を寄せる。

『なんで、嫌な予感がするんだろうねぇ…。』

銃弾を補充して、カプセルを飲んだ。
…これって、こんな短時間に飲んでいいものなのかな？


物陰に隠れるようにして、壁に背中を預ける。
その瞬間だった。
破壊音と衝撃、どう考えても、何かが入ってきたとしか考えられない。
ちら、と様子を見る。
ハンター２体とネメシス。
…え？ネメシス？可笑しくね？誰が操ってるの？
唖然として、思わず動きが固まる。
もう一度大きな音がして、ハンターたちが、出て行った。
そして、女性の悲鳴。
…嘘だろ？

『ったく、そういうのやめて欲しいっていうか。』

物陰に隠れたまま、銃を構える。
隙間から撃ち、すぐに別の場所へ見つからないように移った。
どうせすぐバレてしまうのだから、と攻撃の手は緩めない。
弾倉をとりやすい位置に移動させながら、敵の動きにも意識を集中させる。
が…思い出したけど、ネメシスって倒せたことないよ？
倒せるものなの？
リヘナラたんが出てくるよりは視覚的には安全だけど、生命的には…同等か。
あれ、可笑しいな、目から汗が。
一瞬、ネメシスの動きが止まった。
どうかしたのだろうか、と様子を伺っていると、自分たちが開けた穴から出て行く。
…何か、あったぁぁあああぁああ？！
ちょ、処刑マジニはやめて、このタイミングで無理。
せめて、せめて…ゲーム版でないことを祈る。
ていうか、手当り次第に破壊行為を開始したんですけど。
これ、死んだ？
いやいや、落ち着け自分、映画じゃ、クレアが倒していたじゃないか。
此処にいるクレアとは若干違うけど。
…ショットガン、ないんだけど。
DEで倒せと？！
魔王（Lv.99）にレベル20で挑む勇者くらいの無謀さだよ？
リアルラックがあっても9割方勝てませんけど何か。
…やるしかないよね。
もしかしたら、勇者のパーティーはチートが集まったパーティーなのかもしれないんだから。