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気がついたのは、約1時間後だった。
幸いなことに、レオンは出掛けていたのだろう。
帰って来たら寝てたから驚いた、と言われた。
「すこし、疲れていたみたい。」
少しどころか、めちゃくちゃ疲れてるけど
「大丈夫か?」
「ええ、大丈夫。」
小さく笑ってみせて、それから、立ち上がる。
ふらつく頭を軽く抑えてから、水はある?と声をかけた。
レオンは綺麗に笑って、ペットボトルを差し出してくれる。
「ありがと、」
受け取って、のどを潤す。
明日の朝には出発するとして、決着を明日中につけられるだろうか。
…ルイスに出会えるのが一番だが、あちらもあちらで忙しいんだろうなぁ。
とりあえず、スイッチ入れておくことにしよう。
時間的にガナードになるかならないか、ってところで決着がつけられればいい方かな?
「ヒサメ?何か心配事か?」
「ん?いや、アンブレラ社を潰したら、どうしようかと思ってね。」
服もないし、正直に言って、パスポートもラクーンシティーだ。
私をトリップさせた、神様にでも言えば、どうにかなるのかもしれないが。
その、神様に会うことができるのかって言うのが問題だよね。
「帰るのか?」
「ん?できるならそうするかな。日本語の方が話しやすい。」
苦笑して、堪えきれなかった欠伸に口元を押さえた。
驚いたような顔をしているレオンに首を傾げる。
「いや…、驚いた。」
「何に?」
「色々だよ、」
そう?とだけ笑って、一度伸び上がった。
アリスたちは帰って来たの?と問えば、頷かれ、まあ、ジルのことだ、案の定聞いてないんだろう。
じゃあ、このまま此処で寝ててもいいってことだよね。
「そう、じゃあ、私先に休むから。」
「あ、ああ。」