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言い切って、そのままその場から離れる。
食べものと、飲み物はヘリから持ってきた分で十分だろう。
洞窟から出て、寄りかかるようにして座り込む。
『全く、色恋沙汰は帰ってからして欲しいものだね。』
煙草で直の火移しって、何かエロいよね
私の元に最初にやってきたのは、クリスだった。
ため息を吐きたくなるのを堪えて、何か用?と首を傾げる。
言い難そうに頬を掻いて、隣座ってもいいか、と問われた。
勿論、と返し、首で座ることを促す。
「それで?」
「クレアとアリス、アンジェラが女3人で盛り上がっているんだ。」
「居辛い、と。」
「まぁな。」
だからって、私と話すのなら問題ないのか、なんて思わないでもないが。
そう、と返して、空を見上げる。
綺麗に星が散っているのを見て、ミスターケネディは?と問う。
「エイダと話をしていたから、邪魔するのもな。」
「ああ、やっぱり?」
「知ってたのか?」
「エイダの方は私に銃まで向けてきたから、ミスターケネディも満更でもないんじゃない?」
肩をすくめて、煙草を取り出した。
一本吸う?と差し出すと、ああ、貰おう、と彼は手を出す。
ジッポ、と探したが、鞄に入れてしまったことを思い出した。
「ああ、火ならある。」
クリスは私の煙草に火をつけてくれた。
ありがと、と告げて、一口吸うが、隣で火をつけるのに苦戦している様子が見える。
どうやらジッポのオイル切れらしい。
「持ってこようか?」
「いや、それから貰う。」
クリスが私に覆い被さるようにして、煙草の先同士を押し付けて火を移す。
簡単に着いたそれに、目を細めて、慣れてるね、と苦笑した。
フッと、片頬をつり上げたクリスはよくやるから、と告げる。
物音がして、そちらを見ると、水を持ったアリスが居た。