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ある日の衝撃
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ある日の衝撃

ピンポーン
チャイムが鳴った。
何だろう、と確認すると、画面に映っているのは母親。
吃驚して、何やってんの?!と叫ぶ。

『氷雨ちゃーん、いれてー?』
「わかったって、ちょっと待って、」

エントランスの扉を開けて、暫く経つとノックが聞こえる。
扉を開ければ、にっこりとした笑顔に出会った。
いれていれてー、と楽しそうな様子に思わずため息を吐いて、紅茶を入れるためキッチンに向かう。

「それで?今日は何の用?」
「あのねー、色々お話ししようと思って。」

にこにこ、
楽しそうな表情にため息を吐いて、話を促す。

「まずね、私たちのお家はドイツにあるから。」
「は?!」
「あ、でも国籍は日本よ、ちゃぁんと。」
「あ、うん。」
「それから、お兄ちゃんは今アメリカで大学行ってるから。」

マジかよ。
ぽかん、と口を開く。

「そうそう、お兄ちゃんは静流ちゃんとお付き合いしてるからね、」
「…だれですか、それ。」
「あら、知ってるでしょう?幽遊h」
「あ、いいです、わかりました。」

兄…!
ていうか、そんな混合知りたくなかった…、と思っていれば母は綺麗に笑った。

「あ、幽白の住人はいるけど、ストーリーはないからね。」
「…そーっすか。」

幽白のパラレルワールドでもあるってことね、了解です。
と頷いて、続きを求める。
説明を詳しくしてもらわないと、結構困るんです。
自分の過去についてとか特に。

「んー、面倒だから、こっちの氷雨ちゃんの設定見て?」
「っは?!なにそれ、」

こつん、と人差し指で額を突かれる。
瞬間、流れ込んでくる私の設定。
…違和感なく受け入れられるところが、怖い。
まあ、そういう風に設定してくれているんだろうが…。

「わかった?」

首を傾げる母親にうん、と頷く。
ふと、気になって告げる。

「このためだけに来たの?」
「ううん、むしろ、これがついでなのー、レコーディングがあってね。」

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