旦那 | ナノ



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肯定したぞ、この先生。
いや確かにスケジュール認識してるの私と橘くんくらいだけども。
私の方が監督でもある藤真さんと親しいからそう言われるのもわかる。
藤真さんが冬まで引退しないって話もまさかの本人から偶然だけど聞いているし。
致し方ない。

「でも、なんでわざわざ呼び出して…え、翔陽だけじゃ、ない?」
「そういうことだ」

同じくIHに出る湘北はないが、陵南に武里、他にもちょいちょいある。
…え、これって本来先生であり監督である高頭先生がなんとかするもんじゃないの?

「すまん。三年の学年主任の関係もあって調整が難しくてな」
「…紳先輩と相沢さんと橘くんと相談してお断りするところは先生にお返しします。それ以外はこちらで調整しますね」
「頼んだ」

フー…と息を吐いてそのプリントの束を手にする。
連絡のやりとりが基本電話とファックスな状況なので紙媒体であることは致し方ない。
けれど非常に不便だとも思う。
閑話休題。
とりあえず、体育館に戻る道すがらペラペラと捲っていく。
調整、却下、相談の3つに分けながら、体育館に戻った。

「白雲、なんだった?」
「練習試合の申し込み来てるからその調整してくれって」
「は?それ先生の仕事じゃねえ?」
「三年の学年主任だからやばいっぽい感じのこと言ってた、進路相談とか願書とか多分そういうのじゃん?」
「あー…今年外部進学結構いるって話だもんな、そりゃ大変だわ」

橘くんにそのまま調整、却下、相談の分類を見てもらう。
と、相談の中から、ここは最近力つけてきてるから調整して、と調整に移動したり、逆にこっちは最近落ち目だしこれなら翔陽調整に力入れて、と調整から却下に移動した。
いくつか再分類してから、相沢さんに声を掛ける。
どうですかね、と話せば、相談部分を全て却下に入れていいと指示された。
そして、調整部分を相談と調整と相沢さんおすすめの3つに分けられる。
なるほど。
指を挟みながら、紳先輩に声をかけてさらに相談。
相沢さんおすすめも全て調整に入り、相談の部分は断っていいとのこと。

「ありがとうございます、じゃあ調整のために明日ちょっと連絡とってアポ取って行ってきます」
「調整も任されたのか?」
「はい、行ってきます」
「そうか…気をつけて行ってこい」

少しだけ悩んだ顔をして、それでも私に笑って任せてくれた紳先輩ににこりと笑って、もう一度、はい、と静かに返事をした。

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