胸うさ | ナノ



おまけ
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「あれ…?私なんで寝てるんですか?」

きょとんと不思議そうに隣にいるマッチに問いかける氷雨。
マッチは小さく笑って、疲れてたんだろ?と彼女の髪を撫でた。
氷雨は照れたように俯いて、なら、いいんですけど…と小さく声を出した。
それから、気を取り直したように、問いかける。

「私、どれくらい寝てました?」
「2時間ってとこだな。」
「…隣居てくれたんですか?」

恥ずかしそうに、首を傾げて氷雨は質問する。
その声に小さく口角をつり上げて、マッチは肩をすくめた。
彼女にとってその動きは何よりも肯定を示すもので。
耳まで赤くして、それでも、嬉しそうに笑う。

「ありがとう、ございます。」

氷雨は視線を逸らしながらも、マッチの服の裾を掴んで、告げた。
その手の上に自身の掌を重ねて、押さえつけるようにするマッチ。
そのまま、顔を近づけて、伏し目がちになっていて無防備な瞼に口付ける。
ちゅ、と軽い音がして、氷雨の体が固まった。
その反応に喉を鳴らして笑うマッチがいて、力を抜いた彼女は困ったように眉を下げる。

「びっくりするからダメです。」
「じゃぁ、宣言すればいいのか?」
「…そういう問題じゃないです。」

マッチはその反応に笑いを堪えるような顔をしてから、冗談だ、と肩をすくめて氷雨の髪に指を通す。

「氷雨、」
「なんですか?」
「…いや、なんでもない。」


(「ぎゅあー!」)
(「っ、さう?」)
(「きゅい、」)
(「さうも一緒に居てくれたの?ありがとう。」)
(「うきゅ」)

(「なんだろうね、あのほのぼの空間…」)
(「ユンユーン」)
(「わぁ、だめだってば!」)
(「…此処にもほのぼのはありますよ。」)
(「……女の子じゃないじゃん。」)



あとがき
前サイトで、エリナさまに捧げたものです。
ちなみに、氷雨はマッチさんに呼ばれた辺りからの記憶が抜け落ちてます。


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