胸うさ | ナノ



3+おまけ
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「マッチさんと氷雨はいつになったらオレたちに気づくんだろうな。」
「気づかねぇよ、多分。」
「うきゅ、ぎゅあっ」
「さうもそう思うのか。」
「うさ公、何だって?」
「無理、バカップル。だと。」
「………まぁな。」


おまけ
リムジンクラゲ内で
「へー、それでそのピアスなんですね。」
「はい、宝物なんです。」
「素敵ですねぇ、そういうの。」
「小松さんは、どうですか?」
「僕ですか?僕は、包丁ですね、やっぱり。」
「なるほど…、綺麗ですもんね。大切にしてるのが伝わってきます。」
「ありがとうございます。」
「いえいえ。」
「ところで、そのピアス、おいくらなんですか?」
「…片方で……万円。」
「…え?」
「片方でにじゅうまんえん。」
「えぇっ?!」
「マグネットルビーとマグネットサファイアは珍しい上、留め具とかも全部宝石で出来てるので。」
「それをポンと渡すマッチさんもスゴいですね…。」
「お金持ち怖いです。」
「…その気持ちわかります、僕もトリコさんと…」


「マグネットルビーにマグネットサファイア…か。」
「どうかしたのか、トリコ。」
「………、マッチ。お前知ってて渡したのか?」
「何がだ?」
「氷雨のピアスについてだ。」
「…氷雨に聞いたのか?」
「小松に話してるのが聞こえた。」
「で?」
「…マグネットルビーとマグネットサファイアは元は一つの宝石。…故に二人でわけ、特に男女で持つとその縁は永遠のものになる。」
「……そんな話があるのか?」
「知っていた、って顔だな。」
「ふ、どうだろうな?」
「余裕にしていて、足元を掬われないようにしろよ、」
「…忠告、ありがたく聞こう。だが、トリコ、お前も気を付けた方がいい。」
「何にだよ、」
「氷雨の考え方は、時間を共に重ねないと理解ができないからな。」
「どういうことだ…?」
「それは…ああ、すまない、氷雨が呼んでいるから失礼する。」
「っ、あの野郎、見せ付けやがって。」


「…ほのぼのとシリアス、ですかね。」
「いやぁ、談話と修羅場だよ。」
「鉄平さん、それは…。」
「そう?間違ってないと思うけど。ていうか、マッチはどう考えても計算だよね。自分に渡されなくても、自分の家を帰る場所にできるんだよ。」
「まぁ、そうですけど。」
「更にさ、彼らはネルグに住んでる。ってことはだよ、いつ片方がなくなっても可笑しくないんじゃないかと思うんだ。それで、見つけたから預かっとく、ってことで、いつでも自分のものにできるじゃないか。いいなぁ、俺も女の子とお揃い欲しい。」
「…下衆の勘繰りの上に嫉妬ですか?」
「酷、それは酷いよ、滝丸君。」

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