胸うさ | ナノ



ライフ到着

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癒しの国、ライフに到着した。
そこまでは良かったんだ、赤と青のそれが現れるまでは…。

「ちょ、蝶々?!」
「おい、氷雨?」

窓から大きく離れ、反対側の壁にくっつく。
ふわふわと、予測できない飛び方をするそれを見て、さぁと血の気が引いた。
思わず薙刀を組み立てて、近寄ってこようとする蝶々に向ける。

「氷雨、落ち着け、」
「無理、無理です、マッチさん。私、蝶々と蛾とゴキブリは特に嫌いなの。」

ふるふると首を振る。
困ったようにするマッチさんに近寄れない理由は、マッチさんの足にその蝶がとまっているからで。
トリコさんと3人組、滝丸少年も無理だ。
あんなに集られてるとか、私だったら絶望しか覚えない。

「ほら、俺のとこなら蝶々いないよ。」

にこり、笑う緑のリーゼントこと、鉄平さん。
それから、その近くにいる小松さん。
薙刀を構えたままそちらにじりじりと移動する。
ある程度近くに行き、薙刀をたたんで、一気に走る。
がし、と鉄平さんの肩を掴んで盾にした。

「氷雨さん、蝶々嫌いなんですか?」
「はい…ちょっと。」

引きつった笑いを口元に浮かべて、小松さんを見る。

「う、うわあああああっ!?」

ふわ、と小松さんに近づいた青いそれにテンパって、鉄平さんを押しやった。
一瞬、威嚇と言うか…その、殺気が出てしまったようだ。
そのおかげで、それらは一気に窓の外に向かったが、代わりに他のメンバーから凄い目で見られた。
その眼光の鋭さ…特にトリコさんと鉄平さんに怯えつつ、助けを求める様にマッチさんの方を向く。
が、いつもより若干不機嫌そうに眉を寄せていて、困った。

「え、っと…その、」
「皆さん、お姉さんが困ってますよ?」
「滝丸少年ー!」

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