正義 | ナノ



068
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そのまま、カノンさんのところに行き、私の仕事を受け取る。

「何やってたんだ?」
「一般女性についての講義を少し」

肩をすくめて、笑ってみせれば、カノンさんもキョトンと首を傾げた。
ブルートゥス、お前もか?もはや聖域もここまでか!
なぁんて、シェークスピアじゃあるまいし。
此処で同じことを言うのも面倒だし…、と書類を持った。

「知りたければ、彼らに聞いて下さい」
「…伝わると思うか?」
「……多分、」

眉を寄せたカノンさんに苦笑してから、では失礼します、と踵を返す。
そのまま部屋に戻って、仕事をこなした。
既に慣れてきたのか、一枚8分程度で終わるようになってきた。
全部終わらせて、時計を見ると、17時。
んー、ちょうどいいのかな?
調味料がある棚を見る。
味噌と醤油、あと日本酒とみりんは必要かな?
必要そうな調味料を準備していると外から声がかかる。

「氷雨ー?」
「はい、」

ディーテさんの声に扉を開ける。
私の部屋で大丈夫かな?と穏やかに笑う彼に、はい、と頷いて、必要だろう調味料を袋にいれ、抱えた。
さあ、行こうか、と言ったディーテさんはあっさり私を抱え上げて、一歩踏み出す。
え、此処からですか、なんて思ったのは否定しない。
私が自転車を必死で漕いだくらいの早さで、彼は走った。
いやもう、ホント脱帽ですよね、なんて思っていれば、双魚宮につく。
入り口辺りで降ろしてもらって、そのまま案内してもらう。

「此処がキッチン。で、材料はそこ」

綺麗になっているキッチンに、積まれた大量の食料。
…お醤油、足りるかな。
てか、何人分なんだろうか…決して、私とディーテさんとシオンさま分じゃないと思う。
だって、ゼミ旅行で13人分の料理作った(うち男性4名)分位あるよ?
そのときは一人で作った訳じゃなかったから、早く出来たけど…え?
唖然としていれば、ディーテさんが笑って、大丈夫だよ、と告げた。

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