正義 | ナノ



031
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「下手な仕事はしていないのと同じ。あなたたちに何があったのか、…知らないし、口出す気もありません
 知ったところで、どうしようもないでしょうし。それでも、上司である沙織様に迷惑をかけるなど、言語道断
 あなたたちは、自身の遅れが誰に迷惑をかけるのか考えたことがあるんですか?」

そう言いきって、今までの仕事の辛さを訴えるように全員(勿論、サガさんとカノンさんも)を睨む。
特に、カニマスクさん。
え?デスマスクだろうって?いいよ、どうせ仕事しないんだし。
仕事人間?言えばいい、そういう風に生きて後悔はしていない。
結婚もせず、恋人も作らないでいることが、不幸だとは限らないってことだ。
別に経験がないとは言わないが、それでも、男関連の面倒は嫌いだ。
面倒極まりない。

「では、私は仕事に戻ります。何かありましたら、終業後お聞きしますので」

言い切って、未だに書類の上にあるアイオロスさんの手を退かす。
にこり、笑って言っておく。

「私が考えるに、私が此方に来たのは、仕事量をこなせる人間が必要だったからだと思いますよ」

そして、次の書類をとり、訳し始めた。
ふと考えたんだが、私、座ったままだったっていうね。
うは、偉そうだな自分、あー、いい環境は望めないかなぁ、やっぱ。
でもだからといって、ああいわれていい空気を作る方法なんて知らないし。
あー、もう、考えててもらちがあかない、とりあえず、仕事しよう。

…あれ?もうラスト一枚だ。
ま、いいか。
さて、内容はー…。

「カミュさん、場所を貸してくださって、ありがとうございました」
「もう、終わったのか?」
「渡された分は、ですけど」

小さく笑って、サガさんに所に書類をすべて持って行く。

氷雨、もう終わったのか?と驚いたようにするサガさんにはい、と頷く。
お気に入りの懐中時計をみる、あれ、まだ、15時半だ。
そういえば、終了の時間知らないな…自由なのかもしれないけど。

「サガさん?」
「い、いや、想像以上だったのでな」
「ありがとうございます。書類が無いようでしたら、仮眠室を掃除させていただいても?」
「ああ、構わない」

その一言に礼をして、椅子をもち仮眠室へ向かった。

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