正義 | ナノ



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「どうかしましたか?」
「うーん、ちょっと確かめたいことがあるんだけど…いい?」
「何を確かめたいんですか?」

それによっては断るかもしれないけど。
なんて思ったんだけれど、ミロさんは何処か悪戯っぽい明るい笑顔を浮かべて、私の手をとった。
手首を持たれた状態になったので、少し力を入れて手を軽く開いておく。
と、私の手に擦り寄るようにミロさんが動いた。
頬に手を添える形となって、なんか、こんなことを前にした気がするな、と何処かで考える。

「ミロさん?」

問いかけると、彼は難しそうな顔をしたまま、私の手と彼自身の手を繋いだ。
何か、思いついたことでもあるのだろうか?
とりあえず、思う通りにやらせてあげた方がいいのだろう…、多分。
なんて思いながら、ふとリアとカミュを見る。
二人も不思議そうにしていて、ミロさんの行動理由はわかっていないようだった。
ら、ふわり、と首筋をくすぐる感覚。

「ミロ?!」

正面の二人の驚く声と、腕に感じる髪で、肩にミロさんが頭を預けているのがわかった。
とはいえ、私には少し触れている程度に調節してくれているらしく、重さは全然感じない。
ただ、この甘え方は、瞬くんとよく似ている。
瞬くんの場合はがっちり腕をホールドしてくるから、ミロさんの方が動きやすいのだが。
掴まれていない方の手で、ふわふわの金髪を撫でる。

「お疲れですか?」
「もうちょっとこのままで」

言いながら、ぐりぐりと、額を私の肩に擦るように動く。
何この成人男性可愛い。
思わず、きゅん、としながら、表面は苦笑を浮かべる。
撫でていた手を止めようとしたら、もっと、と不満そうに言われたので、素直に動かす。
大体5分位そうしていれば、満足したのかミロさんは離れた。

「ありがと!」
「いえ、お力になれたのなら、幸いです」

何がしたかったのか、よくわからない。
が、聞くほど興味がある訳でもないので、そのまま、運ばれてきた料理に注意をシフトさせた。
それから、三人に連れられ、色々街を見て回った。
最終的に食材が買えればいいと思っていたのだが、何故か洋服まで。
そして何故か、フルコーディネートされると言う謎展開。
…もしかして、私の仕事中の服装をもう少し考えろと言う遠回しの要求なのかもしれない。
基本スーツで時折フォーマルなワンピースなのだが…ダメだっただろうか。
なんて思いながら、少しだけ服も買って、生活雑貨も見て回った。
彼らに甘えて、食材含め決して少ないとは言いきれない量のものを買ってきてしまった。
申し訳ないなぁと思いながらも、ありがたいと感謝を伝えるだけに留める。
彼らは気にするなと笑い、部屋まで荷物を運んでくれた。
さて、明日の準備をしよう。

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