吸血鬼 | ナノ



2


「ヒサメ、」
「なに?キラー?」

唖然としたその表情に彼女は首を傾げる。
彼はそれに反応しないまま、彼女の手を掴んだ。
じっと見て、触れて、そこに何もないことを確認して。

「ああ、大丈夫だよ。」

ふ、と頬を緩めて、笑った彼女。
それに安心したように息を吐いたキラー。
そんなキラーを見て唖然とするキッド。

「キラー?」
「キッド、その女はキッドに譲る。暫くコイツといることを許してくれ。」
「あ、ああ。構わないが。」

そんな会話をするキッド海賊団にその他メンバーはキョトンとした。
ヒサメは少し悩んでからああ、と声と上げる。

「ヒョウ、3人を守って、船長はその二人に守ってもらえ。」
「言われなくても。」
「じゃ、行こうかキラー。」
「ああ。」

そう言って連れ立って去って行く二人に何故か負けた気のする、船長3人組だった。


「ヒサメ!」
「ん、ああ、ペンギンか。」
「俺も、行っていいか?」
「キラー、いいか?」
「……仕方ないな。」
「ありがとう、キラー。ペンギン、船長はいいのか?」
「ああ、大丈夫だろ。」

(「あーあ、ヒサメさん立場的に船長と変わらない位置に居ると思うんだけど…。」)
(「本人は気がついていませんから、」)
(「多分ヒサメさんは、純粋に副船長の集まりだと思ってるだろ。」)
(「「「ありえる」」」)

(「おい、テメェんとこのアレいいのか?」)
(「…船員の行動に口出すことじゃないからな、それより、お前のとこはいいのか?」)
(「キラーは問題起こすこともねぇし、初めてあったときからあんな感じだ。」)
(「そりゃ、ペンギンだってそうだ。」)
(「「ッチ」」)
(「二人とも、どうしたの?」)

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