15.まやかしばかりのふたりだった | ナノ
あの夏のおわりにきみと交わした
くだらないささめきごと
しあわせになれない楽園
おそろしい冗談はよしてよ
不完全なわたしはいつも求めてばかりだ
ばかみたいに笑うきみが大好きだった
こうして終わってゆくんだね
忘れたのはぼくのほうだった
またねの呪いがほどけてくれない
どうしようもないあの子のおはなし
ただ空白をもてあましている
こうやっておとなになっていくのだ
痛みしかしらない
そろそろ魔法がとけだすころです
心底さよならしたいよ
まやかしばかりのふたりだった
そしてまたやさしい冬をくりかえすのだ