13 ゾロと鷹の目


クリークが船から出て行った事でギンが体を震わせながら口を開いた。

ギン「サンジさん、すまねぇ!!・・・おれは、まさか・・・こんなことになるなんて・・・・・・・・・!!おれは・・・・・・」

ゼフ「おい。てめぇが謝ることじゃねェぞ、下ッ端」

ギン「え・・・」

ゼフ「この店のコックがそれぞれ自分の思うままに動いた。ただ、それだけのことだ」

ユキナは無言でルフィやゾロ、ウソップの方へと歩き出す。

パティ「オーナー!!だいたい、あんたまでサンジの肩を持つ様なマネするとは、どういうことですか!!」

「そうですよ!!事の原因はあの野郎にあるんです」

「オーナーの大切なこの店をあいつはつぶす気なんだ!!なァサンジ!!この機にうまく、料理長の座を奪う方法でも思いついたか!!」

「本当に脳ミソ、イッちまったか。どっちだ!!!」

ゼフ「黙れ。ボケナス共!!!」

「「!」」

ゼフの怒鳴り声にコック達全員が黙った。そんな事を言うコック達にユキナは眉間に皺を寄せていた。

ゼフ「てめぇらは一度でも死ぬ程の空腹を味わったことがあるのか。広すぎるこの海の上で食料や水を失うことが、どれ程の恐怖か、どれ程つらいかを知ってるのか!!済んじまったことをグチグチ掘り返してるヒマがあったら、裏口からさっさと店を出ろ!!」

コック達は初めて聞いた話に戸惑うが、武器をしっかり握った。

ギン「な・・・何やってんだ、あんた達。首領ドンの力はさっきみたハズだろう!?逃げた方がいいぜ!!」

サンジ「おい。ギン・・・お前に言っとくが。腹を空かせた奴にメシを食わせるまではコックとしてのおれの正義。だけどな、こっから先の相手は腹いっぱいの略奪者。これから、おれがてめぇの仲間をブチ殺そうとも文句は言わせねぇ。この店を乗っ取ろうってんなら、たとえ、てめぇでも容赦なくおれは殺す。いいな」

ギン「・・・・・・・・・!!」

パティ「ケッ。てめぇで生かしといて殺すんじゃ。世話ねぇな、サンジ」

サンジ「うるせぇ。くそコック」

ルフィ「な!なんか、あいつ、いいだろ?」

ウソップ「どうでもいいよ、あんな奴!それより早く逃げねぇと・・・」

ゾロ「落ち着け。相手はボロボロのケガ人だぜ」

ルフィ「そう。それに、おれはあいつと戦わなきゃいけねぇ。なぁ、ユキっ!あいつが本当にすげぇ奴だとしたらいずれ、ぶつかるんだよな?」

『ん?・・・あぁ。まぁ・・・本当ならな』

ルフィ「うっし!じゃあ、なおさらだな!
そういえば、ギン」

ギン「え・・・」

ルフィ「お前偉大なる航路グランドライン≠フこと、何もわからねぇって言ってたよな。行って来たのにか?」

ギン「・・・・・・・・・!!わからねぇのは、事実さ。信じられねぇんだ・・・偉大なる航路グランドライン≠ノ入って7日目のあの海での出来事が現実なのか・・・夢なのか。まだ頭の中で整理がつかねぇでいるんだ。・・・突然、現れた・・・

たった一人・・・・・の男に50隻の艦隊が壊滅させられたなんて・・・!!!!」

ルフィ「え!!?」

「「ばかな!!!たった一人に海賊艦隊≠ェ潰されただと!!?」」

ルフィ「ユキ!!偉大なる航路グランドライン≠ヘ、そんな奴らがいっぱいいるのか!!?」

「「「!!!」」」

ルフィの言葉にその場にいる全員がユキナを見る。

『んーまぁ、そーだなぁ』

「「「な・・・!!なんだと!!?」」」

『まっ!それを仕出かした人物が人物だからな。一瞬だっただろ?ギン』

ギン「そうだ・・・わけもわからねぇままに艦隊の船が次々と沈められていって・・・あの時、嵐が来なかったらおれ達の本船も完全にやられてた。仲間の船が何隻残ってるかもわからねぇ。ただ恐ろしくてあれを現実だと受け止めたくねぇんだ・・・!!あの男の人をにらみ殺すかと思う程の鷹のようにするどい目・・・・・・・・・・を思い出したくねぇんだ!!!」

ゾロ「何だと!!?」

ゼフ「・・・そりゃあ・・・鷹の目の男≠ノ違いねぇな・・・ユキもそうは思うだろ?」

『ん?あぁ。まぁ、お前が確かにその男の目を鷹≠フよーに感じたかどーかは証拠にならないけどな』

ゼフ「ユキもこう言ってるんだ。そんな事をしでかす事、そのものが奴である充分な証拠だ・・・!!」

ゼフとユキナが言うのを聞いているコックやルフィ達。

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