07 悪執事の暗殺計画


とある海岸では執事のクラハドールが黒い帽子にハートのサングラスをかけた異質な格好をした男と話している。

クラハドール「おい、ジャンゴ。この村で目立つ行動は、慎めと言ったはずだぞ。村のまん中で寝てやがって。」

ジャンゴ「ばか言え。おれはぜんぜん、目立っちゃいねーよ。変でもねェ。」

クラハドールと話ている男はジャンゴと呼ばれ、自分の事変ではないと言っている。

ルフィ「もう一人誰かいるな、変なのが。」

ウソップ「見かけね顔だ・・・誰だ、ありゃ。」

ルフィとウソップが上から覗き込みながらそう話す中、ユキナは無言でクラハドールとジャンゴを見つめている。

クラハドール「それで・・・計画の準備はできてるんだろうな。」

ジャンゴ「ああ、もちろんだ。いつでもイケるぜ。お嬢様暗殺計画=v

ルフィ「!」

ウソップ「!!(何!!?暗殺だと!!?)」

『(ふーん・・・計画、ねぇ・・・)』

クラハドール「暗殺なんて聞こえの悪い言い方はよせ、ジャンゴ。」

ジャンゴ「ああ、そうだった。事故・・・!事故だったよな。キャプテン・クロ=v

『(予想は当たってたんだ〜。んー、でも・・・あいつは確か・・・)』

クラハドール「キャプテン・クロか。・・・・・・3年前に捨てた名だ。その呼び方もやめろ。今はお前が船長のハズだ。」

ルフィ「おい、あいつら何言ってんだ・・・?」

ウソップ「・・・・・・そんな事はおれが聞きてぇよ。でも待てよ・・・・・・!!キャプテン・クロって名は知ってる・・・!!」

『計算された略奪を繰り返す事で有名だった海賊だよ。だけど、3年前に海軍に捕まって処刑されたと聞いてる。』

ジャンゴ「しかし。あんときゃ、びびったぜ。」

クラハドール「ん?」

ジャンゴ「あんたが急に海賊をやめると言い出した時だ。あっと言う間に部下を自分の身代わりに仕立て上げ、世間的にキャプテン・クロは処刑された!!そして、この村で突然船を下りて、3年後にこの村へまた静かに上陸しろときたもんだ。まぁ、今まであんたの言う事を聞いて間違ったためしはねぇから、協力はさせて貰うが。分け前は高くつくぜ?」

クラハドール「ああ。計画が成功すればちゃんとくれてやる。」

ジャンゴ「殺しならまかせとけ!」

クラハドール「だが、殺せばいいって問題じゃない。カヤお嬢様は、不運な事故で命を落とすんだ。そこを間違えるな。」

『ふーん・・・(3年前からカヤを暗殺する計画を立ててたのか。)』

クラハドール「どうも、お前はまだ、この計画をはっきり飲み込んでないらしい。」

ジャンゴ「バカ言え、計画なら完全にのみこんでるぜ。要するにおれは、あんたの合図で野郎どもと村へ攻め込み、お嬢様を仕留めりゃいいんだろ?そして、あんたがお嬢様の遺産を相続する。」

クラハドール「バカが・・・!!頭の回らねぇ野郎だ・・・!!他人のおれがどうやってカヤの遺産を相続するんだ。」

ジャンゴ「がんばって相続する。」

クラハドール「がんばってどうにかなるか!!ここが一番大切なんだ!!殺す前に!!お前の得意の催眠術で、カヤに遺書を書かせるんだ!!執事クラハドールに私の財産全て譲る≠ニな!!」

クラハドールの言葉を聞き、ウソップは驚き、ユキナはくだらない、と眉間に皺を寄せた。

クラハドール「それで、おれへの莫大な財産の相続は成立する・・・・・・!!ごく自然にだ。おれは、3年という月日をかけて周りの人間から信頼を得て、そんな遺書が残っていてもおかしくない状況を作りあげた!!」

ジャンゴ「・・・・・・そのために3年も執事をね。おれなら一気に襲って奪って終わりだがな。」

クラハドール「・・・それじゃ、野蛮な海賊に逆戻りだ。金は手に入るが、政府に追われ続ける。おれは、ただ政府に追われる事なく、大金を手にしたい。つまり、平和主義者なのさ。」

ジャンゴ「ハハハハ。とんだ平和主義者がいたもんだぜ。てめぇの平和のために金持ち一家が皆殺しにされるんだからな。」

クラハドール「おいおい。皆殺しとは何だ。カヤの両親が死んだのは、ありゃマジだぜ。おれも計算外だった。」

ジャンゴ「まぁいい・・・そんな事はいい・・・とにかくさっさと合図を出してくれ。おれ達の船が近くの沖に停泊してから、もう一週間になる。いい加減、野郎どものシビレが切れる頃だ。」

ウソップ「えらい事だ・・・・・・!!!えらい事聞いちまった・・・・・!!!」

ルフィ「おい、何なんだ。なんか、やばそうだな。」

ウソップ「(お前ずっと聞いてたんじゃねぇのか!!やばすぎるぜ本物だ!!あいつら!!ずっと狙ってやがったんだ・・・・・!!!カヤの屋敷の財産をずっと3年前から!!!そして、あの執事は・・・キャプテン・クロ!!生きてたんだ・・・!!!)」

『(なーんか、面倒なことになりそー・・・)』

その2人の会話を聞き、ウソップとユキナはそれぞれ、そのような事を考えていた。


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