09 決着とメリー号
ナミがルフィを起こそうと走り、それを阻止しようとジャンゴがチャクラムをナミに向かって投げる。間一髪でルフィを起こすことに成功したが、運良く、ルフィの後頭部に刺さってしまうのであった。
ルフィ「ΣΣいてェな、コノォ!!!」
ナミ「私じゃないわよ!!」
ルフィはナミが何かしたと思ったのか、近くに居たナミに怒鳴りつけた。そんなルフィにナミはそう否定をした途端、その場に座り込んだのだった。
ルフィ「お前、肩ケガしたのか。」
ナミ「何でもない。平気・・・とりあえず、私のやれることはやったわ。後は任せる!この戦い・・・絶対に、負けるわけにはいかないものね!!」
ルフィ「お前・・・」
ナミ「宝のために!!」
ルフィ「んん!!結果オーライ。それが、お前だ!!」
『ふふっ♪』
ナミとルフィの会話を聞いていたユキナは表情を緩め、その様子を見守っていた。
ルフィ「なんだ。わる執事も来てるよ・・・」
クロ「皆殺しまで、あと3分。」
「「そんな・・・無茶だ・・・ジャンゴ船長とブチさんと言えど、たった3分で、あいつらを仕留めるなんて・・・!!!」」
ジャンゴ「ブチ!考えてるヒマはねェぞ。お前はあのハラマキを殺れ!!おれが麦ワラの小僧を・・・!!」
ジャンゴがブチにそう言った時、クロの後ろから足音が聞こえた。
クロ「!」
カヤ「クラハドール!!!もう、やめて!!!」
「「「!!!!」」」
クロの後ろには屋敷にいるはずのカヤの姿があった。
ウソップ「Σカヤ!!お前・・・何しに・・・!!!」
ジャンゴ「オイ。あいつは!! 屋敷の娘じゃねェか!!アレは計画の最終目的だぜ・・・!?」
カヤが現れたことで海賊達は、村に行く必要はないのか、あの女を殺せばいいのか、と騒ぎ出している。
『(あの様子・・・無理してここまできたよーねっ。)』
カヤの様子は顔色も悪く息も上がっていた。
クロ「これは驚いた・・・・・・お嬢様・・・・・・なぜ、ここへ・・・?」
カヤ「メリーから全部、聞いたわ。」
クロ「・・・・・・ほう。あの男、まだ息がありましたか。・・・・・・ちゃんと殺したつもりでしたが・・・・・・」
カヤ「・・・・・・・・・!!?(違う・・・!!本当に・・・クラハドールじゃない・・・!!!)」
クロの言葉を聞いたカヤはそう思った。
カヤ「・・・・・・ごめんなさい。ウソップさん・・・!!謝っても許してもらえないだろうけど・・・私・・・・・・!!どうしても信じられなくって・・・!!クラハドールが海賊だなんて。」
ウソップ「そんなことは、どうでもいいっ!!何で、ここへ来たんだ。おれは、逃げろって言ったんだ!!!お前は、命を狙われてるんだぞ!!!」
カヤ「・・・!!あなたは、戦ってるじゃない!!!私達は、ウソップさんにあんな酷い仕打ちをしたのに!!そんなに傷だらけになって戦ってるじゃない。」
ウソップ「おれは、だから・・・!!ゆ!!勇敢なる海の・・・」
カヤ「クラハドール!!!私の財産が欲しいのなら全部あげる!!!だから、この村から出て行って!!!」
『無駄だな。』
カヤ「え!!?」
『目的は金だろーけど、それだけではないのだろ?』
ユキナは崖に寄りかかりながらカヤにそう言う。
クロ「頭がキレますね・・・そうですよ、お嬢様。金もそうだが、もう一つ私は、平穏≠ェ欲しいのです。ここで3年をかけて培った村人からの信頼はすでに、なんとも笑えて居心地がいいものとなった。その平穏≠ニあなたの財産≠手に入れて、初めて計画は、成功する。つまり、村に海賊が攻めいる事故と遺書を残し、あなたが死ぬことは、絶対なのです。」
カヤ「!!」
ウソップ「逃げろカヤ!!そいつにゃ、何いっても無駄なんだ!!!お前の知ってる執事じゃないんだぞ!!!」
カヤはウソップにそう言われるがクロに銃を向ける。
「「!!!」」
カヤ「村から出ていって!!!」
クロ「なるほど・・・。この3年であなたもだいぶ立派になられたものだ・・・」
カヤ「!?」
クロ「覚えていますか?3年間、いろんなことがありましたね。あなたがまだ両親を亡くし床に伏せる前から随分長く同じ時を過ごしました。一緒に船に乗ったり、町まで出掛けたり・・・・・・あなたが熱を出せば、つきっきりで看病を・・・」
カヤは執事・クラハドールとの3年間の日々を思い出し、瞳に涙をためる。