01 赤髪と少女と約束


ここは小さな港村だ。港には、1年程前から海賊船が停泊している。風は東。村はいたって平和である。

?「おい、ルフィ。何する気だ。」

ルフィ「ふんっ。おれは遊び半分なんかじゃないっ!!もう、あったまきた!!証拠を見せてやるっ!!!」

村の少年、モンキー・D・ルフィは船首の上でどん!と効果音が付きそうな程堂々と仁王立ち、むきっと歯茎を見せては、小ぶりのナイフを片手に持ちあげ、そう宣言している。

シャンクス「だっはっは。おう!やってみろ。何するか知らねぇがな!」

赤髪に麦藁帽子を被った人物はそんなルフィに笑って答えている。

「また、ルフィが面白ぇ事やってるよ。」

船員達もそう言ってルフィがこれから行うことを笑ってみていた。その様子を壁に寄りかかり、楽しそうに笑って見ている人物。

『んー。今度は何する気ぃ〜?』

腰まである金髪、瞳は宝石の様に綺麗な青い瞳をした20歳くらいに見える女性。その姿は誰しも魅了する程。その人物の名はフェルティ・ユキナという。

ブスッ!!

ルフィ「いっっってぇ〜〜〜〜〜っ!!」

「バ・・・バカ野郎!何やってんだぁ!!?」

ルフィ「いて――よ――――っ!!」

そんなユキナの耳にブスッという刃物が何かに突き刺さる音とルフィの叫び声、船員達の慌てる声が聞えた。

『バーカ;;』

ユキナは呆れながらそう呟き、小さく溜息をつくといまだ騒いでいる船員の元へと向かった。ユキナがルフィ達の元へ近付くと船医がもう傷の治療をしていた。そして、度胸あるルフィの行動に驚き、見直した赤髪海賊団一同は、宴会を開くため、酒場へと向かった。ユキナ達は酒場に着き、それぞれがお酒を飲み、肉を食べる海賊の男達。そんな中、海賊達と共にいるルフィが口を開く。

ルフィ「あー、いたくなかった。」

シャンクス「うそつけ!!バカなことすんじゃねぇ!!」

赤髪に麦わら帽子の人物・海賊の頭赤髪のシャンクス≠ヘ涙目になりながらも強がるルフィに怒鳴った。

ルフィ「おれはケガだってぜんぜん、怖くないんだ!!連れてってくれよ、次の航海!!おれだって海賊になりたいんだよ!!!!」

シャンクス「お前なんかが海賊になれるか!!カナヅチは、海賊にとって致命的だぜ!!」

笑って答えるシャンクスと一生懸命、海賊になりたいと訴えるルフィをユキナは微笑みながら見つめていた。ルフィの目にそんなユキナが映り、訴えかける。

ルフィ「なぁ!ユキナもなんとか言ってくれよ!!カナヅチでも船から落ちなきゃいいじゃんかなぁ!!?」

『んー?まぁ、確かにー♪』

シャンクス「おいおい;;ユキナ。」

ルフィの言葉に面白そうに合わせるユキナを見て、呆れるシャンクスとやる気になったようで嬉しそうにしているルフィ。

ルフィ「ほらなっ!それに戦ってもおれは、強いんだ。ちゃんときたえてるからおれのパンチは、ピストルのように強いんだ!!!」

シャンクス「ピストル?へー、そう。」

『へぇー。それはすごいねー。」

シャンクスは頬杖をついていかにも信じてなさそうに言い、ユキナは明らかにバカにしている。

ルフィ「なんだよ、2人そろってその言い方はぁ!!!」

ルフィはそんなシャンクスとユキナに怒るのだった。そこへ他の船員達が海賊の楽しさを自慢しに来た。ルフィはそれを聞いて益々海賊になりたいと思ったようで目を輝かせ、興奮している。

シャンクス「お前逹、バカなこと吹き込むなよ。」

「だって本当の事だもんなー。」

「なー。ユキナもそう思うだろ?」

『ふふっ♪楽しくなかったらやってないって〜♪』

そんな船員達にシャンクスが一言いうが、全員反省などせず、あろうことか、ユキナ迄もが他の船員達に笑いながらもノリ、船員が一致団結している。すると船員のうちの1人がルフィを連れて行く事を薦めた。その意見に他の船員達も次々と賛成の声をあげる。話を聞いていたルフィは感激している。

シャンクス「じゃあ、変わりに誰か船を下りろ。」

しかし、シャンクスは背を向けたまま、その意見に交換条件を付けてきた。その言葉を聞いた途端、船員達はさぁ、話は終わりだ。飲もう!!と笑いながら言い、颯爽と去っていった。そんな船員達に怒るルフィを見てユキナは1人で笑っていた。

シャンクス「要するにお前はガキすぎるんだ。せめて、あと10歳年取ったら考えてやるよ。」

ルフィ「このケチシャンクスめ!!言わせておけば!!おれはガキじゃないっ!!」

シャンクスの言葉がルフィは気に食わないのか怒鳴る。そんなルフィにシャンクスは明るい口調でジュースを差し出す。するとルフィは嬉しそうにありがとう!とお礼を言い、ジュースをゴクゴクと一気に飲みほした。それを見たシャンクスは涙を流して大笑い、ユキナもあまりのルフィの単純さに笑っている。ルフィはそんな2人を見てきたねぇぞ!!と言い、何を言っても無駄だと分かったのか、2人から離れていった。


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