12 首領ドン・クリーク


東の海イースト・ブルーの覇者ダマし討ちのクリーク≠セったか』

カルネ「そうだ!!始まりは監獄から・・・!!こいつは海兵になりすまし、海軍の船上で上官を殺し、その船を乗っとることで、海賊としてののろしを上げた!!時には海軍旗≠かかげて港に入り町や客船を襲ったり。白旗≠振って敵船に襲いかかったり・・・・・・!!勝ち続けるために手段を選ばず、ここまで上りつめた海賊だ!!!この男、本来の強さもハンパじゃねェ・・・!!メシ食ったらおとなしく帰るだと?こいつに限ってありえねェ話だ。そんな外道は見殺しにするのが、世の中のためってもんだ!!!」

ゴキ!!

「「「!!!?サンジ!!!」」」

カルネがそう言い終えた時、サンジはクリークに吹っ飛ばされた。

『(あいつの狙いは恐らく、食料とこの船。クリークの状態がああなんだから部下も衰弱してるはず・・・それにあのボロボロな船よ。食料を奪うついでにこの船をもって考えてそーね)』

ユキナはそう考えるも黙って成り行きを見つめている。クリークはユキナの考え通り、百人分の水と食料を用意するように要求してきた。

カルネ「この船を襲おうとわかってる海賊をあと百人、おれ達の手で増やせってのか・・・!?断る!!!」

クリーク「断る・・・?勘違いしてもらっちゃ困る。おれは別に注文してるわけじゃねぇ。命令してるんだ。誰もおれに逆らうな!!!」

『(・・・うっざ)』

クリークの迫力にコック達は怯え、ユキナはただ眉間に皺を寄せている。客達は巻き込まれる前にここへ来る時に乗ってきた船へと逃げて行った。クリークがサンジを吹っ飛ばした時に抗議して肩の骨を折られたギンは、倒れながらもサンジにこんなつもりじゃなかった、と謝っている。

パティ「てめェは・・・!!何て取り返しのつかねぇことをしてくれたんだ。・・・・・・・・・!おい。どこへ行く、サンジ!!」

パティはサンジにそう言うが、サンジはどこかへ行こうと立ち上がり歩き出す。

サンジ「厨房さ。あと百人分、メシを用意しなきゃならねェ」

「「「なにぃ!!?」」」

サンジの言葉にコック達はもちろんギンも驚き、それを見ていたクリークはそれでいいと呟く。しかし、そんなサンジにコック達は銃を向けた。

「てめぇはクリークの回し者かよ、サンジ。厨房に入らせるわけにはいかねェ。お前のイカれた行動には、もう、つき合いきれねェ!!」

サンジ「いいぜ。おれを止めたきゃ、撃て」

サンジはそう言って両手を広げる。

サンジ「わかってるよ・・・相手は救いようもねェ悪党だってことくらい・・・でも、おれには関係ねぇことだ。食わせて、その先どうなるかなんて、考えるのも面倒くせぇ・・・・・・・・・食いてぇ奴には食わせてやる!!!コックってのは、それでいいんじゃねぇのか!!!」

「「「・・・・・・・・・!!」」」

『(サンジが言ってる事も分かる。コック達が止めたがっている理由も分かる。どっちが正しいかなんて誰にも分からないけど、多分ここのオーナーはサンジと同じ考えだろーね)』

ユキナがそう考えている中、パティはサンジを殴り、エビの形をした大きな銃を持ってクリークへと構えた。

パティ「食後に一つ。クロガネのデザートを食って行け!!!食あたり砲弾ミートボールっ!!!!」

ドウンッ!!

それは見事、クリークにぶち当たり、扉の外までぶっ飛んで行った。

ギン「首領ドンっ!!」

パティ「まいったな。扉、壊しちまった・・・・・・店長オーナーにどやされるぜ・・・・・・・・・・・・」

カルネ「なに。店を守るためだ。小せェ被害さ・・・」

サンジ「クリークの船に残った連中をどうするつもりだよ・・・」

パティ「さぁな。船にバターぬって火でもつけるか・・・」

『そんな話するのは、最後まで倒してからにしろ』

パティ「は!?なにいって・・・」

ユキナはただクリークが飛ばされた方を見据えて言う。

クリーク「くそマズいデザート出しやがって。最低のレストランだぜ・・・・・・・・・・・・」

ルフィ「体が・・・金ピカだ・・・!!!」

パティ「・・・鋼の鎧とは、くだらねぇ小細工を・・・!!たたみかけろ!!!」

「「オオッ!!」」

パティとカルネを中心にコック達はクリークを倒そうと走り出すが、その行く手を阻むようにユキナが無言で佇む。

パティ「なっ!!てめぇ、何のまねだっ。そこどけっ!!」

ドガガガガガガ!!

パティがユキナに怒鳴った時、クリークが鋼の鎧から出てきた沢山の銃でコック達へ向けて撃ってきた。その銃弾がコック達の前にいるユキナへ容赦なく向かっていく。ルフィはそれをただ無言で見つめていた。

『・・・たくっ;;・・・闇雲にやたらに相手へ突っ込もーとするなよな・・・』

「「「え・・・・・・っ!!」」」

コック達が閉じた目を開けた時には、クリークの放った銃弾が空中でパラパラと砕け散っていた。

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