02 少女との再会


その頃、町についたユキナは髪を2つに結び、大きなおにぎりを持った女の子が海軍基地の方向に歩いて行く光景が目に入った。

『・・・んー・・・子供・・・?(こんな子供が海軍基地に一体なんのようなの?)』

そんな子供を不審に思ったユキナはその女の子にねぇ、と声をかけた。声をかけられたその女の子は振り返り、ユキナの顔を見るなり、何故か固まり、顔を赤くしている。顔をフードと前髪で隠しているが、その整った顔は異性・同性に限らず、魅了する。しかし、ユキナ自身は分かっていないので、小さい子供を怖がらせたのかと勘違いしたようで「怖がらせて悪い。」と謝った。その声で我に返った女の子は慌てて否定し、続けて口を開く。

?「どうしたの?・・・えぇっとお姉ちゃん??」

『・・・俺は男だ。』

?「えぇ!!?ごめんなさい!!」

中性的な顔立ちはどちらとも捉えられてしまい、良く間違われる事もあるのだが、普段は出る所は出て、閉まる所は閉まっているという圧倒的な女性体型であり、間違われることはない。しかし、今はダボついたコートでその体系を隠し、性別を偽りたいが為、男≠セと主張した。そんなユキナに女の子は驚き、謝るが、そんな事気にせず、気にしなくていい、と言い微笑んだ。

リカ「本当にごめんなさい!私の名前はリカ!お兄ちゃんは?」

『・・・ユキだ。』

リカ「ユキお兄ちゃんだね!私のことはリカでいいよ。」

『ん、わかった。それで?リカは今から海軍基地に行くのか?』

リカ「うん!私が作ったおにぎりを捕まってるお兄ちゃんに食べてもらうの!」

『その捕まってる男とはどんな奴なんだ?』

リカ「えっとね。緑の髪の毛でね!あと、黒いのを頭にかぶってて、腹巻きしてるの!そのお兄ちゃんね!悪い人じゃないんだよ!だって、私達の事を助けてくれたんだもん!」

『へー、そーなんだ。俺もそいつの所へ着いていってもいいか?』

リカ「うん!いいよ!一緒に行こ!」

ユキナは何故そんな人物が捕まっているのか不思議に思い、その人物に会うため、リカと一緒に海軍基地へ行くことにした。暫く歩いていくと海軍基地についたユキナとリカは入口ではなく塀へ向かっていた。そんな中、ユキナの眼に塀に登り、中を覗いている2人の人物が映りこんできた。

『・・・!(いた。)』

2人のうち1人が被っている麦わら帽子にユキナは見覚えがあった。それはかつて自分の大事な人から人へと受け継がれ、最終的にある少年へと託されたものだ。目的の人物を探し当てユキナの表情が和らぐ。

『リカ。その男には後で会うからお前はそれを渡してこい。』

リカ「わかった!じゃあ、行ってくるね!」

何を思ったのか、ユキナはリカにそう言った。リカは深いことは聞かず、少し離れたルフィ達のいる所へおにぎりをしっかり抱え、走っていった。そして、塀に近付くと梯子を使い、塀の中へ入って行った。それを見送ってからユキナはリカ達から見えない位置にある塀の上へ登り、成り行きを見守る事にしたようだ。

『あら。捕まってる男って、ロロノア・ゾロだったのね・・・(だけど、妙だよねぇ・・・。何で海賊狩りが海軍に捕まるのー?)』

そう、賞金首を捕まえる海賊狩りが海軍に捕まる理由がない。ユキナは無意識に眉間に皺を寄せながらもルフィ達を見つめていた。

?「ロロノア・ゾロォ!!!イジメはいかんねぇ。親父にゆうぞ。」

そこへ耳障りな声がユキナの耳に入り、ますます眉間に皺を寄せる。ルフィは「変なのが来た。」と言い、コビーは偉い人が来たと子供が殺されないことに安心していた。ゾロはと言うとその人物を見て嫌そうな顔をした。

ゾロ「チッ。七光りのバカ息子が・・・」

ヘルメッポ「バカ?こら調子にのるなよ。おれの親父は、かのモーガン大佐だぞ!!」

海軍大佐の息子であるヘルメッポは後ろに部下を2人引き連れて偉そうな態度をしている。

ヘルメッポ「おやおや、お嬢ちゃん。おいしそうなおにぎり持って差し入れかい?」

ヘルメッポはそう言うとリカのダメという制止も聞かず、リカが作ったおにぎりを奪うと食べた。しかし、甘いおにぎりをまずいと言い吐き捨てた。普通塩だろと文句を付けながら、最後にはこんなもん食えるか。ボケっ!!と言い、リカの作ったおにぎりを足でグチャグチャと踏み潰している。そんなヘルメッポに対して慌ててリカは制止の声をあげている。


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