02 少女との再会
コビー「ひ・・・ひどい。あの子がせっかく作ったのに・・・!」
その様子を見てコビーはそう言い、ユキナは黙ってその様子を見つめているのだが、どこか冷たい空気を放っている。そんな様子を他所にリカは一生懸命に作ったのに酷いとボロボロ涙を流している。それに対してヘルメッポは迷惑だという顔でリカを見下ろしている。
ヘルメッポ「あ〜あ〜。泣くな、泣くな!!だから、ガキは嫌いだぜ。悪いのはお前なんだぞ?ここに何て書いてあるか、読めねぇのか。<罪人に肩を入れし者、同罪とみなす。海軍大佐、モーガン。>」
その言葉を聞いたユキナは静かに腰にある剣を握った。
ヘルメッポ「おれの親父の怖さくらいは、知ってるよな。てめぇが大人なら死刑ってとこだ!!」
ヘルメッポはリカの顔を上にむけ、脅すようにそう言った。
『おい。その汚い手を離しな。』
そこへ凛とした低い声がその場に響いた。
『・・・離せ。と言ってるのが、分からない?』
リカ「!!!ユキお兄ちゃん!?」
「「「!!!!」」」
塀の上に佇む姿にその場にいた全員が目を向けた。前髪とフードでほぼ顔は見えないが、冷たい雰囲気を醸し出しているのだけは分かる。その中でルフィだけは瞳を大きく見開らき、食い入るようにその人物を見つめていた。そんな周りの様子など気にせず、タンっと飛び、ヘルメッポ達の所へ一瞬で行ったユキナはリカの肩を抱き、己の方へ引き寄せた。リカはその行動にただただ驚き、ユキナの横顔を見つめていた。
ヘルメッポ「なっ、なんだ!!?お前!?」
『お前らなんかに名乗る名なんて持ってねーよ。』
ヘルメッポ「!!?なんだとぉ!!おれにそんな口の聞き方すると親父が黙ってないぞっ!!」
『はんっ。じゃあ、連れてくればぁ?』
ルフィ「!!!(ユキナ・・・)」
怒り出すヘルメッポに対し、更なる挑発をするユキナを見て、ルフィは目の前にいる人物が誰なのか、確信を持った。挑発に乗り、怒ったヘルメッポは自分の後ろにいる海兵に死刑にしろと命令する。当然、海兵達はいきなり死刑にしろと言われ戸惑っている。
リカ「ちょっと待ってよ!!ユキお兄ちゃんは私を助けてくれただけで・・・!!」
ヘルメッポ「そんなこと知ったこっちゃねぇ!!こいつはおれに楯突いたんだ!!死刑だっ!?」
横暴なことを言うヘルメッポを冷たい瞳で見ているユキナ。ルフィはその様子を黙ったまま見つめていた。暫く黙って見ていたユキナだったが、視線はそのままでリカの名前を呼んだ。
リカ「!なっ・・・何!?お兄ちゃん。」
『・・・行くぞ。』
リカ「へ?・・・!!きゃあ!////」
ユキナは戸惑うリカを他所に抱きかかえると今度は無言でルフィを見つめ、口元をふっとつりあげた。そして、ふわりと飛び上がり、塀を越えていった。その場から逃げて行ったユキナ達をヘルメッポは海兵の2人に命令し、追わせた。それを見送ると今度は、縛り付けられたゾロの元へ近付いた。
ヘルメッポ「しかし、しぶとく生きてやがるな。てめぇは!」
ゾロ「ああ・・・ちゃんと一ヶ月生き延びてやるさ。約束は守れよ・・・!!」
ヘルメッポ「ひぇっひぇっひぇっ!あー守る!!一ヶ月、そのままで生きられたら約束通り、逃してやるよ!!せいぜいやってみろ!!」
ヘルメッポはゾロにそう言うと笑いながら去った。