07 悪執事の暗殺計画


時が経ち、日の暮れた始めた頃、ウソップは一人道を歩き、村人達やカヤの事を思い、涙を流していた。そこへルフィ達を引き連れた子供達が現れ、キャプテンと呼んだ。

ウソップ「!・・・よぉ!!お前らか!

Σゲッ!!お前っ!!生きてたのか!!」

ウソップは崖から落ちたはずのルフィが平然とここにいる事に驚く。

ルフィ「生きてた?」

ぴーまん「ずっと寝てました、この人。」

ルフィ「あぁ、さっき起きたんだ。ユキがここまで連れてきてくれた。」

ぴーまん「そんなことより、キャプテン!!話は聞きましたよ!!海賊たちのこと。早くみんなに話さなきゃ!!」

ウソップ「・・・・・・みんなに・・・・・・!!」

ウソップは先程のカヤや村人達に言われた事を思い出す。そして、何を思ったのか、突然大声で笑い出した。そんなウソップに子供達は疑問符を浮かべた。

ウソップ「いつものウソに決まってんだろ!!あの執事の野郎ムカついたんで、海賊にしたててやろうと思ったんだ!!」

そう言うウソップにルフィは眉をひそめた。

『・・・まぁ、そーいー事だからお前らはもう帰れ。』

ぴーまん「え――っ!!ウソだったんですか!?」

にんじん「なーんだ。せっかく、大事件だと思ったのに。」

たまねぎ「くっそー。麦わらの兄ちゃんもキャプテンのさしがねか!!」

ルフィ「え?」

にんじん「・・・・・・でも、おれちょっとキャプテンけいべつするよ。」

ぴーまん「おれもけいべつする!!」

たまねぎ「ぼくもだ!いくらあの執事がやな奴でも、キャプテンは人を傷つける様なウソ絶対つかない男だと思ってた・・・!」

帰ろうぜ、と言うにんじんの声に晩御飯の時間だ、おかずは何かな、と言いながらぴーまんとたまねぎは、にんじんと一緒に歩いて行ってしまった。そんな状況にルフィは訳がわからないと頭に疑問符を浮かべており、ナミとゾロは無言でウソップを見ている。しかし、ユキナだけが子供達の帰っていった方向を見ていた。


――――・・・


完全に陽が沈み、三日月が見える海岸にルフィやウソップ、ゾロ、ナミ、ユキナは来ていた。

ウソップ「なぁ。何でおれがウソついたのか、わかったのか?」

『ん?まぁー俺がお前の立場だったら同じことをすると思っただけだ。・・・皮肉なものだな。日頃のウソが真実を偽りに変えてしまう・・・お前はただ大切なものを守ろうと村を駆け回ったと言うのに。左腕はその時に撃たれたものだろ?』

ウソップ「おれはウソつきだからよ。ハナッから信じてもらえるわけなかったんだ。おれが甘かった!!」

ナミ「甘かったって言っても、事実は事実。海賊は本当に来ちゃうんでしょう?」

ウソップ「あぁ、間違いなくやってくる。でも、みんなはウソだと思ってる!!明日もまたいつも通り平和な一日がくると思ってる・・・・・・!!だから、おれはこの海岸で海賊どもを迎え撃ち!!!この一件をウソにする!!!!それがウソつきとして!!おれの通すべき筋ってもんだ!!!!」

「「「「!」」」」

ウソップ「・・・・・・!!腕に銃弾、ブチ込まれようともよ・・・ホウキ持って追いかけ回されようともよ・・・!!ここは、おれの育った村だ!!おれは、この村が大好きだ!!!みんなを守りたい・・・・・・!!!こんな・・・わけもわからねぇうちに・・・!!みんなを殺されてたまるかよ・・・!!!」

ゾロ「とんだ、お人好しだぜ。子分までつき離して一人出陣とは・・・!!」

ルフィ「よし。おれ達も加勢する。」

ナミ「言っとくけど宝は全部、私の物よ!」

ウソップ「え・・・」

ルフィ達の言葉にウソップは唖然とする。

『ふっ。』

ゾロ「ユキは、どうするんだ?」

『んー、俺は別にすることがある・・・かなぁ〜。』

ルフィ「そうなのか?」

『ああ、少し屋敷の方が気になるんでな。』

ナミ「・・・屋敷?」

『あの執事が何か仕出かすかもしれない。まぁ、確信は持てないけど。』

ナミ「なるほど。ユキ、さすがね・・・!」

『なら、俺は屋敷に行く。』

そう言い、ユキナが屋敷に行こうと4人に背を向けた時、ウソップが我に返り、引き留めた。

ウソップ「ちょ、ちょっと、待ってくれ!お前ら・・・一緒に戦ってくれるのか・・・!?な・・・何で・・・」

ルフィ「だって、敵は大勢いるんだろ?」

ゾロ「怖ぇって顔に書いてあるぜ。」

ウソップ「お!!おれが怖がってるだと!?バカいえ!!大勢だろうと何だろうとおれは平気だ!!!なぜなら、おれは勇敢なる海の戦士キャプテン・ウソップだからだ!!!」

ウソップはそう言うものの、膝は恐怖でガクガクと震えている。そんな膝を必死で叩き、震えを止めようとするが、中々止まらない。


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