01 赤髪と少女と約束


ヒグマ「おれ逹は山賊だ。
――が・・・別に店を荒らしに来たわけじゃねぇ。酒を売ってくれ、樽で10個ほど。」

山賊棟梁であるヒグマは、偉そうな態度でそう言う。マキノはお酒がないと謝るのだが、ヒグマはわざとらしく海賊達が飲んでいるのは水か等と言い、責めてくる。

マキノ「ですから・・・」

『だぁかぁらぁ〜・・・今出てるのが、全部って言ってるのがぁ・・・わからないのー?』

マキノ「!!ユキナさんっ!!?」

そんなヒグマに痺れを切らしたユキナはマキノが言っているのを阻み、マキノを庇うように姿を現した。

ヒグマ「ん?こりゃ、綺麗な女が出てきたなぁ〜。」

『・・・悪いけど〜、余ってるのはないからっ!』

シャンクス「これは悪い事をしたなぁ。おれ逹が店の酒飲みつくしちまったみたいで。すまん。これでよかったらやるよ。まだ栓もあけてない。」

シャンクスはそう言い、ヒグマにまだ開けてない酒を渡そうとした。

バリィンっ!!!バシャアっ!!

「「「!!?」」」

『あーらら♪』

しかし、ヒグマはシャンクスが持っていた酒が入った瓶を素手で叩きわり、そのせいでシャンクスは酒でずぶ濡れになってしまった。

ヒグマ「おい貴様。このおれを誰だと思ってる。ナメたマネするんじゃねぇ・・・。ビン一本じゃ寝酒にもなりゃしねぇぜ。」

そんなことを言うヒグマの言葉を聞かずにシャンクスは、濡れた床のことを気にしている。その様子など気にもせず、ヒグマはこれをみろ、と自分の手配書を得意げにみ見せた。

ヒグマ「八百万ベリーがおれの首にかかってる。第一級のおたずね者ってわけだ。56人殺したのさ。てめぇのように生意気な奴をな。 わかったら・・・今後、気をつけろ。もっとも山と海じゃ、もう遭うこともなかろうがな。」

シャンクスはそう言うヒグマなど見向きもせず、床に散らばった瓶の破片を拾い、マキノに謝った。それが癪に触ったのか、ヒグマは自身の剣を抜き、カウンターの上の物をその剣でなぎ払った。

ヒグマ「掃除が好きらしいな。これくらいの方がやりがいがあるだろう・・・!!ケッ。じゃあな。腰ヌケ共。」

ヒグマがそう言うとヒグマとその仲間はバカにしたように笑いなが店から出ていった。ユキナは出ていく山賊達の後ろ姿を横目で見たあと、歩いてどこかへと消えた。山賊が去った後、マキノはシャンクスを心配し声をかける。しかし、シャンクスは問題ない、と言い、同時に大声で笑いだした。それにつられ、船員達も笑いだす。どこからか戻ってきたユキナは、そんな彼らが目に映り、呆れていた。

『はぁ・・・;;なぁに、笑ってるの〜;;』

そう言いながら手に持ってるタオルをシャンクスの頭にかける。

シャンクス「おっ!サンキュー、ユキナ。」

『さっさと拭いて、着替えてきてよね〜。・・・風邪なんかひかれたらたまったもんじゃないわ〜。』

シャンクス「あぁ。」

シャンクスは素直じゃないそのユキナの言葉を聞き、嬉しそうに笑う。しかし、ルフィは、今まで起きたことを笑って見過ごしているシャンクス達を見て、怒りが込み上げてきていた。

ルフィ「なんで笑ってんだよ!!!あんなの、かっこ悪いじゃないか!!!何で戦わないんだよ。いくら、あいつらが大勢で強そうでも!!あんなことされて笑ってるなんて男じゃないぞ!!!海賊じゃない!!!」

シャンクス「・・・・・・。気持ちはわからんでもないが、ただ酒をかけられただけだ。怒るほどのことじゃないだろう?」

ルフィが怒鳴ったのを聞いてシャンクスは困ったように笑い、そう答えた。しかし、ルフィは納得できない。さらに怒って帰ろうとするルフィをシャンクスは引き止めようとルフィの腕を掴んだ。そんな事をルフィは気にせず歩みを進めていくと―――

びよ―ん!!!

「「「「!!??」」」」

『・・・・・!』

腕が伸びた。これには酒場に居た者達ほぼ全員が驚いた。中でも一番驚いたのは何だ。これああ〜っ!!! と叫んだ腕が伸びた本人のルフィだった。

『・・・ルフィ。変な形のまずい実を食べたんじゃない?』

そんな中で何故か冷静なユキナがルフィに聞く。

ルフィ「!・・・・・・うん。デザートに・・・・・!!まずかったけど・・・。」

「Σなにぃいぃ!!?」

『・・・はぁっ・・・。大方、この前敵船から奪ったゴムゴムの実でも食ったんでしょー。腕が伸びたから間違いないねー・・・。』

「「「なんでお前は、そんなに冷静なんだよ!!!??」」」

船員全員から突っ込まれるが、ユキナは素知らぬ顔をしている。

シャンクス「ゴムゴムの実はな!!悪魔の実とも呼ばれる秘宝なんだ!!!食えば全身ゴム人間!!!そして一生泳げない体になっちまうんだ!!!!」

ルフィ「Σえ―――――――――っ!!!
うそ―――――――!!!」

シャンクス「バカ野郎ぉ―――――――っ!!!」

シャンクスとルフィの叫び声が辺りに響き渡った。


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