05 道化のバギー


カバジ「曲技っ!!湯けむり殺人事件≠チ!!」

辺りは土埃で見えなくなる。それを利用しカバジはゾロに斬りかかるが、ゾロは自身の刀で受け止めた。それを見て、ゾロの横腹目掛けて強烈な蹴りを入れる。蹴りが入ったゾロはうわああと声を上げ、地面に倒れた。その横腹からは血が吹き出ている。

ナミ「あいつまた!!」

カバジ「どうした?大の男が大声でわめいてみっともないぞ・・・貴様の相棒の妙な能力のお陰でこっちはとんだ災難だ。いくら海賊狩り≠セとて、我々バギー一味を敵にした事は失敗だったな。」

ゾロは痛みに耐えながら荒く息をする。それを黙ってみているルフィとユキナ。

ナミ「あんな深手で戦うなんてもともと無茶なのよ!!あんた達何、黙って見てんの!?あいつ、殺されちゃうわ!!」

ルフィ「・・・・・・」

ナミ「ねぇ!あんたなら助けることぐらい訳ないでしょ!!?」

『はぁ・・・助けてどーする。』

ナミ「はぁ!?」

『別に俺じゃなくともルフィでも簡単に出来る。だけど、ゾロはそれで満足すると思うか?』

ナミ「満足とか!そんなことよりも命の方が大事でしょ!!?」

『あいつもバカじゃない。他人に言われなくても、自分が無茶をしてることぐらい分かってるはずだ。心配しなくても、こんな所で負けて死にはしない。』

ナミがでも・・・とユキナに何かを言いかけた時、ゾロがガキンッっとカバジの刀を弾き返した。

ゾロ「うっとうしい野郎だぜ!!おれの傷をつつくのがそんなに楽しいか!!」

ゾロはそう言うと自分の刀を構え、自分で脇腹をザクっと斬りさいた。その様子を見てカバジとナミは驚き、ルフィは自分が怪我したかのように痛いと言い、ユキナは眉間に皺を寄せ、バカっと呟いている。

ゾロ「おれの剣が目指すのは世界一・・・」

カバジ「てめぇ一体何を・・・!!」

ゾロ「ハンディはこのくらいで満足か?おれとお前の格の違いを教えてやるよ。」

ルフィ「うぉーっ。かっこいいーっ。」

カバジ「・・・・・・これが、ロロノア・ゾロか・・・ナメやがって・・・!!!」

『はぁ・・・(世界一の剣豪ねぇ・・・)』

ナミ「あぁ・・・!見てるだけで倒れそう。」

ルフィ「いけっ、ゾロ!!」

3人が見守る中、ゾロとカバジは話を続けていく。

ゾロ「おれはこの先、剣士と名乗る野郎には、たった一度でも敗ける訳にはいかねぇんだ!!」

カバジ「成る程・・・・・・。強い志の成せる業か・・・。だがまぁ、安心しろ。それだけの重症で相手がこのおれとあっちゃあ敗けの言い訳には充分だ。」

ゾロ「・・・・・・逆だ!!これくらいの傷でてめぇごときに敗けたとあっちゃ、おれのこの先が思いやられるよ・・・!!」

そんなゾロにカバジがてめぇっと怒る中、ナミはルフィとユキナの肩を軽く叩き、聞いてと言ってきた。そんなナミをルフィとユキナは見た。

ナミ「吹き飛んだ酒場の裏に小屋があるの。あいつらのお宝≠ヘそこにあるわ。そして偉大なる航路グランドライン≠フ海図は多分、バギーが持ってる。私は海賊達がのびてる今のうちに裏にまわって、小屋の宝を頂いて逃げる!あんた達がこの戦いに勝とうが負けようが、私には関係ないからね!ただしバギーからうまく海図を奪えたら、その時はあらためて手を組みましょう!じゃあね!健闘を祈るわ!」

ナミはそう言うと手を挙げて走り出した。そんなナミにルフィはお礼を言い、ユキナは黙ったままナミを見送った。

カバジ「おれの最高の曲技を味わうがいい!!ロロノア・ゾロ!!」

カバジは駒を片手に構えながらゾロにそう言う。

カバジ「曲技っ!!カミカゼ百コマ劇場!!!」

カバジはゾロに向けて多数の駒を仕向け、ゾロが駒を刀で弾き返している隙にカバジは建物を一輪車で登り始める。

カバジ「曲技!!納涼打ち上げ花火!!!」

頂点にくるとそのまま高くジャンプした。

ルフィ「うわっ、高ぇ!!」

カバジ「一輪刺し!!!」

カバジは真下にいるゾロに刀を向け、そのまま急降下する。

『・・・!』

ユキナはそれを黙って見ていたが、バギーがゾロの方に手を向けているのに気付いた。

バギー「地を這うバラバラ砲―ぅ!!」

そう言ってバギーはゾロに向けて手を飛ばした。

バギー「カバジッ!!おれが抑える。ゾロを仕留めろ!!!」

カバジ「御意。」

ゾロ「てめぇら・・・!!!」

バギーの手はゾロの足を捕らえると思われたが、ルフィがバギーの手をドスンっと踏み潰し、ユキナがバギー自信を足でドゴォっと蹴り飛ばしたことで防がれた。そんなバギーはそれらの痛みに泣き叫んでいる。


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