04 海賊専門の泥棒


2人はそんな会話をしながらとある民家に来ていた。ルフィはそこでナミにユキナ達と逸れたことを話していた。

ナミ「へ――。海で仲間とはぐれちゃったんだ。何人?」

ルフィ「2人だ。ここ、お前んちなのか?」

ナミ「ううん。私、旅の泥棒だもん。知らない人の家。この町の人達は、みんな町のハズレに避難してるの。酒場にいるバギー逹を避ける為にね。」

ルフィ「ふーん。そんなに怖ぇのか。その、ナミーって海賊は。」

ナミ「Σナミは私だ!!海賊はバギー!!!」

ナミは一緒にするな、と間違ったことを言うルフィにつっこんでいる。

ナミ「バギーはね。大砲好きで有名な海賊なの。どこだかの町で子供に自分の鼻をバカにされたからって、大砲でその町一つ消し飛ばしたって話もあるし。その上、妙な奇術を使うとも聞いているわ。」

ルフィ「しかし何で。この町、誰もいねぇんだ。」

ナミ「Σみんな避難してるって言ったじゃない!!聞いてろ!!」

ルフィ「ああ。だからお前、空き巣やってんのか。」

ナミ「Σしっつれいね!!私は海賊専門の泥棒だって言ってるでしょ!?」

ナミはテーブルを叩きながらルフィに怒る。

ナミ「下等な空き巣なんかと一緒にしないで!!あんたとしゃべってるとつかれるわ!!」

ルフィ「まぁ、おちつけよ。」

ナミ「ふう・・・・!私の目標はね。何が何でも一億ベリー稼ぐ事!!そしてある村を買うの!!!」

ルフィ「村を買う!?一億ベリーなんて大金並の海賊じゃあ・・・」

ナミ「策はあるわ。みて。これは今、盗んできた偉大なる航路グランドライン≠フ海図!」

そう言ってナミは海図を取り出す。

ナミ「まず、この町で道化のバギー≠フお宝を頂いたら。私は偉大なる航路グランドライン≠ヨ入って、もっともっと大物の海賊のお宝を狙うつもり!!どう?私と組んで大儲けしない?あんたの強さ、使えるのよ。分け前ははずむから!」

ルフィ「もしかして、お前。航海術持ってんのか?」

ナミ「ん!当然っ!!ナメて貰っちゃ困るわ!航海の腕にかけては、私の右に出る者はそうそういないでしょうね。私、海大好きだもの。」

ルフィ「そうかっ!やった!!ちょうどいい!!おれ逹も、今偉大なる航路グランドライン≠目指してるんだ!!」

ナミが航海術を持っている事を知り、ルフィは両手を挙げて喜んだ。

ナミ「ほんと!?」

ルフィ「あぁ!!お前、航海士≠ニしておれ逹の仲間になってくれよ!!海賊の仲間に!!」

ナミ「Σ!・・・・・・!!いやっ!!!」

一旦は喜んでいたナミだったが、海賊と言う言葉に反応し、ナミは即効拒否した。ルフィは突然、拒否するナミに意味が分からず、首をかしげている。

ナミ「・・・・・・ハ・・・あんた、海賊だったの。やめやめ!今の話、全部ナシ!!やっぱ、あんたとは組みたくないわ。ははーん。成る程ね・・・。だからその地図で宝探しってわけ・・・」

ナミはルフィの被っている麦わら帽子を指を差して言う。

ルフィ「これは宝の地図なんかじゃねぇって言ってるだろ!」

ナミ「うそよ!じゃあ何!そんなボロい帽子が宝だ、なんて。」

ルフィ「これは昔、友達から受け取ったおれの大切な宝物なんだ!!仲間を集めて海賊になる事をおれは、この帽子に誓った。」

帽子を見つめそう言うルフィをナミは、何も言わず見ていた。暫くして我に返ったナミは口を開く。

ナミ「ふんっ!!海賊海賊って、バカな時代だわ!!私が世界で一番、嫌いなものはね。海賊なの!!!!好きなものは、お金とみかん!!(あーあ。なーんだ。こいつも能なしの略奪者か・・・かといって盗むお宝なんて持ってなさそうだし。何か役に立たないかしら・・・)」

そんな考えをしているナミをルフィが仲間に誘ってくるが、嫌だと拒否るナミ。しかし、ルフィの顔を見てなにか思いついたようで、困っているみたいだがら条件をのんでくれたら考えると言いだした。そんなナミにルフィはなんの疑いももたずに喜び、その条件は何だと訊く。

ナミ「私と一緒にバギーの所へ行ってほしいの。別に何もしなくていいわ。ただそれだけ!」

ナミの言葉を聞いた途端、行こうとバギーの居場所を訊き、歩き出すルフィにナミは待つように言い、準備があるのよと言いながらロープを持って追いかけた。


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