第1話「ただいま〜。」
事務所のドアを開けて帰ってきたのは、私達の仲間である希と准羅。それを迎えるのはパソコンに向かって依頼の確認等をしている瑞希とソファーに腰を掛けて紅茶を飲んでいる私だ。
「お帰りなさい。」
「お帰り。」
疲れたーっ、と呟いて私の前のソファーに座る准羅はテレビを付けて見出す。
「今日はどうだったんだ?」
私の隣に座った希と准羅に今日の仕事がどうだったのか訊いた。
「盗まれた物はちゃんと返してきたぜ。」
「流石、
associatoだなっ、て言ってくれたよ。依頼してきたお爺さん。」
相変わらずテレビを見ながら自信満々に返してくる准羅とは対照的な希は笑顔で話してくる。ここまで笑顔なのだから、本当に嬉しかったのだろうな、なんて思いながらも聴いていた。
「准羅は退屈だったみたいですね?」
パソコンに向っていた瑞希が話に加わった。そんな瑞希に顔だけを向けて指を突き出す。
「大当たりっ!」
「大げさですね・・・」
まったく・・、と呆れたように笑う瑞希。暫くして真面目な顔に戻った。
「・・・今日の報告書はきちんと書いてくださいねっ。」
「・・はーい。」
心成しか、ガタッと気の抜ける音が聴こえたような気がした。いきなり、テレビを消して立ち上がる准羅に私は声を掛けた。
「報告書、書くのか?」
「あぁ。こういうのは早めに終わらせた方が良いしなっ!」
そう言いながらも2つあるドアのうち、室内に通じるドアを開ける。それに続いて、私もというように准羅の後を追った希。
「ふふ。2人とも分かりやすいですね。」
「そうだな。」
2人の行動を見て笑いだす私達。私は、目の前の飲みかけの紅茶を一口飲んで置く。刹那、パソコンからメールが来たことを知らせる音が鳴った。
「依頼か?」
パソコンを見ている瑞希に訪ねると少し、怪訝そうにしていた。
「みたいです。・・・ただ・・・」
「ただ?」
ただ、と言って口籠る瑞希を不思議に思い、立ってそちらへ向かう。そして、パソコンの前に立つとパソコンを覗き込んだ。
「依頼内容は書いていないか・・・。直接話を聞いてみるしかなさそうだな。」
「そのようですね。」
「皆で行くか?」
「そうしないと怒りますよ、あの2人。」
「それもそうだな。」
あの2人が怒っているところを想像してか、2人して笑った。