ふっと壁にかかった時計を見る。
「もうこんな時間か・・・」
「あら、食事の用意しないといけませんね。」
私が見た時計を瑞希も見る。ここのパソコンから自分のパソコンに転送が終わったのだろう、パソコンをシャットダウンしてから、席を立った。事務所の電気を消して私達は、3階にあるリビングに向かう為、階段を登った。
「一体、あの依頼は何なのでしようか?」
先程送られてきた依頼内容に疑問を持つ瑞希。否、私も持っている。だが、考えたって仕方無い。明日行けば分かるのだから。
「明日行けば分かるんだ。今は考えなくても良いんじゃないか。」
「それもそうですが、依頼内容次第で誰が行くかとか決まりますから。」
瑞希の言うとおりだな。私達は階段を登り切り、廊下を歩いた。リビングの前に着き、ドアを開ける。
「まぁ、行ってから決めても遅くはないだろう。どうしても、行きたくないって言うのなら私だけでも行くけどな。」
「私は行きますっ!」
慌てて言う瑞希に笑いが込み上げて来そうになるのを抑え、リビングに入る。瑞希ならそういうと思ったよ。多分・・・
「今日は唐揚げと野菜サラダにするか。」
「そうですね。」
私達は、手分けして料理を始める。
暫くして料理が出来た頃、2人はリビングに入ってきた。お腹が空いたのか、食卓に付き、手を合わせて「頂きます。」と言って食べ始めた。大好物を前にして准羅はパクパクとかぶりついている。
「食べてる途中で悪いが、依頼が入った。」
一向に食べることを止めない准羅はちゃんと聴いているのか分からないが、うんうんと首を振っているあたり聴いているんだろう。希は食べる手を休め、瑞希も食べながら聴いている。
「それで、どんな内容なのー?」
興味深々というように聴いてくる希に私は軽く首を振った。
「依頼内容はまだ、分からない。」
「じゃどうすんだよ?」
私の言葉に疑問を感じた准羅が食べていた唐揚げを飲みこんで聴いてきた希も同じ事を思ったらしくうんうんと頷いている。
「明日、会ってから内容は話すそうだ。」
「会ってから依頼受けるか決めるんだねっ!?」
「あぁ、そうだ。」
「それで、明日2人はどうされますか?行きます?」
瑞希は2人に向って訊く。
「もちろんっ!行くよっ!」
「俺も行くぜ。」
「なら、決まりだな。」
これから私達はまた、何でも屋として働く。また仕事が始まる。
to be continued
10.11.08 up
20.10.09 修正