第12話

部屋にあるカーテンをシャッと開けるとそこには雲1つ無い快晴の空が広がっていた。

「良いテニス日和だな。」

んーっと背伸びをして朝食を作るためにリビングへと向かった。暫く、1人で朝食を作っているとこちらへと続く扉が開いた。

「あら。早いですね、徠歌。もう少し休んでいらして良いのですよ?折角の休日なのですから。」

「瑞希・・・おはよう。ちょっと・・・な。」

入って来るなり、手伝ってくる瑞希は苦笑いを浮かべながら口籠る私に疑問を持ったのか頭に疑問符を浮かべている。

「おはようございます。・・・今日何かあるのですか?」

「あぁ・・・今日は・・・」

「おはよーっ!」

私の言葉を遮って、元気良く入って来た希。

「希・・・おはようございます。今日は早いですね?いつもなら昼まで起きて来ないのに・・・」

「だってーっ、今日は徠歌とテニスしに行くんだもーん!」

ニコッと笑っていつも以上に元気な希を見て苦笑いを漏らす瑞希は、そういうことですか、と呟いていた。

「・・・瑞希も行くか?テニスしに。」

「行こうよーっ!瑞希も一緒にしよ?!」

「・・・えぇ。」

やったーと瑞希の腕を取り、ぶんぶん振りまわす希とそれに苦笑いを浮かべる瑞希を見ながら朝食の準備を終えた。

「ご飯出来たよ。」

「はい。」

「うん!」

私の声でテーブルにつく。

「・・・・あっ!?准羅は良いのですか?3人だけで行ったことが知れたら煩いですよ?」

「そうだな・・・。希。」

准羅の存在に気付き、そう切り出して来た。少し考えて希に准羅を起こして来るよう頼むと早速、希は准羅を起こしに行った。

「ふふっ。・・・でも、徠歌。テニスなんて出来るのですか?」

急いで出て行った希を見ながら微笑んでいた瑞希がふと疑問に思ったのだろうそんなことを聴いてきた。

「昔・・・イギリスに居た頃、これくらい出来なくてはいけないって言われて教えられたんだ。」

「流石、イギリス貴族のお嬢様ですね。」

「不本意ながらだけどな。」

そんな他愛のない話をしていると准羅を連れて希が帰って来た。

「おはよう。准羅。」

「おはようございます。」

「・・・はよ・・・ふぁー。」

眠たそうに目を擦りながら入って来た准羅は席についてご飯を食べ始めた。

「後から来て先に食べますか・・・」

その様子を見た瑞希は呆れながら自分も食べ始めた。それに吊られ、私と希も食べ始める。

「そういやー、テニスしに行くんだってな?」

「あぁ。准羅も行くだろ?」

「おう。」

「へへ。皆でテニス出来るねっ!」

へへっと笑う希。余程楽しみなのだろう。屈託の無い笑顔がそこにあった。

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