2人が出ていった後、皆真剣な顔になった。
「・・・明日くらいで終わると思いますか?」
ここにいる者の顔を見渡しながら静かに発せられた瑞希の言葉に真剣さが増す。
「どうだろうな。東條も案外馬鹿じゃないみたいだからな・・・」
難しいだろ、と続ける徠歌の言葉を聞き、分かっていたはずなのに落胆した。
「やはり、まだ続くのか?」
「今回のことで他の人達が真実に気が付いたのなら終わりに近いだろうが・・・・気が付いていないのなら、まだだな」
「今日しだいなんですね?」
「早く終わりてーっ!」
話を聴いていたのか分からない准羅がいきなり、叫んだ。相当退屈らしい准羅は、この依頼が始まってからずっとこの調子だ。だけど、准羅の言っていることにも一理あると徠歌は考えていた。
徠歌は、だが・・と小さく呟く。皆がそんな徠歌に注目する。
「終わりが近付いているのは確かだな」
「だなっ」
「ですね」
「ふっ」
その徠歌の言葉に皆が笑った。皆、終わることを望んでいるのは確かだから。それがどういう意味でも。これから何が起きようとも早く終わらせることだ。軌翠の為にも、跡部達テニス部の為にも。
to be continued.
11.07.17 up
21.11.01 修正