ぼーいず・とーく

『レノックスぅ、おまえさっきから何見てるんだァ？』
「ん？あぁマッドフラップか。見てみるか？」
『…だれ、これ』
「俺の家族だ。左にいるのが妻で、こっちの小さいのが娘」
『つま？恋人とは違うのォ？』
「うーん、そうだな。ああ、まあ、恋人だった時もあったな。今でもたまに…、そうだな」
『え、なに、恋人じゃない時間もあるのォ？』
「ああ。四六時中恋人同士ではなくなったんだ」
『んあ？』
「それを超越する。俺たちは次の段階にいるんだ。わかるか？」
『…わかんね』
「そう思えるくらい大事な相手が、おまえにも見つかるさ。そのうちな」
『オレの家族はァ、スキッズだからなあ。アイツと次の段階があるってこと？』
「いや、お前たちはもう段階マックスだろう。赤の他人から、ゼロから作っていくんだ」
『ふぅん』
「その感じだと、まだまだその時は遠いな」
『ふぅん。…よくわかんね』