もしも雨が止んだなら… | ナノ
2話

「へぇ…。やっぱ今年も合宿あるんだ……」

年間スケジュールを見てそう漏らす。
去年も合宿はやったけれど氷帝とうちの2校だけだった。

今年はどうなるんだろう。
もっと学校増えるんだろうか。



「今年はうちと氷帝と青学、四天の4校だよ」
「読心術怖いね」
「フフッ。楽しみだね」
「頑張らなきゃ」


途端、
頭に頭痛が走る。


「……っ……、」
「なまえっ!!」




痛い、
痛い、
痛い、



精市はあたしを抱き寄せてくれた。
精市の腕の中は安心する。
頭の痛みがひいていく。


これも何回目だろう?




「………落ち着いた?無理しないでよ?」
「…ごめん」



精市は私の彼氏だ。
すべてを知った上で受け入れてくれた。
そして今も支えてくれている。
精市がいなかったら私はどうなっているんだろう。











「熱いのぉ……」
「…仁王……」
「うらやましいだろ?」
「プピーナ」
「…あはは」







何も知らない彼ら。
けれど、この事を彼らが知ったらこの関係が崩れてしまうかもしれない。


笑いながら話し合う時間。
それが何より大切だった。














「マネージャー?あたしがですか?」


あの時までは。


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