屠ってみせろと嗤うきみ |
この両手はなにを引き裂くのだろう
わたしのすべてはぶきである
どうか、最期まで
あなたが迎えてくれるのなら
その刃よ、気高くあれ
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どうぞくるって |
月の光の下で
わたしはどうして狂っているのか
どうぞ、わらって
この言葉でさえも答えを出せず
どうせなら喜劇で終わりたい
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ほほえんでくれたらそれでいい |
天狼星に願いをかける
蠍の心臓を喰らいつくし
天の川のそのまた向こう
戦星より死を捧げる
南十字星の倣い
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あきらめてしまえよ |
一等星にはなれそうもない
そのスピカが欲しかった
ポルックスが笑ってくれるから
ヴェガのような翼が欲しい
しあわせのシリウス
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ちまみれのきのう |
「あなたはわたしの業を知っているのかしら」
「わかっていて行動したのなら、それは罰せられる覚悟があるということ」
「あいしているからこそのことだ」
「この気持ちは、君のような人にはわからないだろうね」
「私は持たざるものだ、何もかも持っていない。君が既に気付かずに手にしている幸福すら、私はもっていないのだよ」
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だれかこのこえがきこえるだろうか |
わたしはこの道をゆくのだという
月明かりにすら照らせぬ、深淵を
暗く暗く、どこまでも深いこの道
たとえこの道を踏み外しても
落ちて行くことにすら気づかぬだろう、このくらい道を
わたしはどうしてこの道をゆくのだろう
わたしはどうしてこの道をゆかねばならぬのだろう
わたしの道は、もうこの道しか残されていないとわかっていても
それだけしか進むことができないとわかっていながらなお
嘆くことを自らに許しているわたしに相応しいのだろうか
わたしの道は深く、深く、暗い道
どこに行くとも知れぬ、深淵の、その淵
わたしの歩む道は月すらも照らせない
わたしの行く末は黒猫すらも知らない
わたしの足元にはなにもない
わたしの両手にもなにもない
わたしの進む道は、深く、暗く、底がない
だがしかし、これがわたしに一番相応しい道だと、わたし自身がしっている
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みどりのたいようにやかれ |
青い血潮の囁くままに
その心臓はきっと灰色だった
紫電の瞳を抉り出し
濁り切ったきんいろの
どうして月が綺麗だと思ったの
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あいしているといったでしょう |
踊ってしまえばなにもわからない
この心臓がとまってしまうまで
あなたが、あなたを、あなたに、
大切なことを忘れていたから
どうぞ、ご存分に
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わらうわらうにんぎょう |
あなたのすべてをわたしにちょうだい
こうしているとしあわせで
すべてすべてあなたのために
どうかすてないで
どうやらしあわせを勘違いしたようだ
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わたしのきもち |
それはとってもどす黒くて
この怒りは果たして認められるのでしょうか
思い違いでもいい、憎んでいたいのだ
いっそ心地いいほどに憎んでくれるね
愛より恋よりそれをちょうだい
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