06:甘えん坊な灰被り 2 / 10 名前を呼ぶと彼女は席を勢い良く立つ。 「世界史の教科し」「あるよ!!」 早い。即答。 真麻は廊下に出てロッカーから世界史の教科書を取り出した。 それを香月くんの前へと差し出した。 「わ、ありがとう!えーと……真麻、ちゃん?」 「いえいえいえ!全然大丈夫!」 真麻は手をぶんぶん振って迷惑ではないアピールを猛烈にした。 わぁ、真麻女子だ可愛いなぁ。 ごつん。 不意に頭を下げた香月くんと額がぶつかり合った。 結構痛い。石頭か。 「香ー月くぅん。あっそびーましょー」 香月くんの後ろからのんびりした声が聞こえる。 登くんが香月くんの背中に体重をかけるようにのしかかっている、ようだ。 こっからじゃあまりわからないけど。 年下って言われても納得できるけど年上って言われたら納得できない。むむむ、登くん年上、なんだけどな。 何だろう、テンション高くて年が低く見える香月くんとふわふわしてて年が低く見える登くん。 年下コンビかな。同級生だけど。 「のん重い!遊ぶの!?あと5分しかないよ!?」 ≪≪prev しおりを挟む back |