06:甘えん坊な灰被り 1 / 10 「みっゆきちゃんっ!」 前と、同様に。 女子の黄色い声と同時に鋭い視線が私に刺さる。 あああ、やめてください。 1度香月くんに教室にあまり来ないでと伝えようか。 ただの友達でも女子は怖いものだ。 ずっと仲良かったならまだしも、最近急に仲良くなったものだから余計に「何でこいつが」オーラがとんでもない。 「……どうしたの?」 こそこそと香月くんに近付いて小さな声で訪ねる。 まぁこそこそしたところで意味ないんですけどねー! 香月くんは私の動作に気にした様子も態度に見せず、えへへと笑いながら自分の腰に手を持って行った。 「世界史の教科書持ってない?俺次授業なのに忘れちゃったー!」 世界史……資料集はロッカーに突っ込んでるけど今日授業ないしなぁ。 「うーん私持ってないや、ちょっと待って……真麻ー」 ≪≪prev しおりを挟む back |